部室にはどこにもなかった
ゴミ捨て場や
教室
グランド…

気の回る限りの場所を探し尽くしたが、部誌は見つからない。

「足塚!」
「、…!」
「見つかった!?」
「……み、見つかってたらこんなとこにいやしねェよ!!」
「開き直ってんな!」
「うっ」
「まだ探してないとこあんでしょ!」
「…??」

キッカー足塚。賊学カメレオンズにおいて中々の功労者である彼に向かって、私は人差し指を突き出した。


「ルイに反感持ってる不良共の懐!」
「!!」
「さっさと伝えて、総員で当たんなさい!」
「め、命令してんじゃ「っさいなーもー!さっさと行ってきてよ!燃やされたらどうすん、…―――?」


燃やす?

「…おい」
突然口を止めた私に、足塚は首をかしげて近寄る。


(待って…)
なんで今、燃やされるって考えたんだろう。そりゃライター常備してる賊学生なんてそこらへんにいるけど。…でも、何かひっかかる。


「――…!!」

『なまえちゃんっ…部誌、どこに隠したの!?』
『は?(全員揃って…)何のこと』
『部誌だよ!作戦とか書き込んであるアメフト部の…ッ』
『は?』
『お願いだから教えてよっ!…まさか燃やしたりなんかしてないよね!?あれがなくなったら、みんなっ…うぇ』

部誌紛失を告げられた時のリナのあのセリフ。

「あの、クソ女…ッ」

私は走り出した。
焼却炉に向かって。
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