「そこからのフェイタンのセクハラの数々はあえて!!あえて伏せさせていただこう!!」
「なまえ酔ってんのか?」
「ウーロン茶しか飲んでないね」

ホームに戻るなり祝賀会のど真ん中に立ち糾弾し始めたなまえ。昼間の不機嫌はどこへやら、フェイタンはご機嫌な様子でビールを手に取っている。

「許されるでしょうか皆さん!このむっつりスケベはアウトラインギリギリのセクハラを時間にして二十五分!二十五分ですよ!ゆでダコも!茹だるわ!!」

わあーん!!と泣きながらパクノダの胸に飛び込むなまえを男性陣はしげしげ眺める。

「セクハラって.....何したのフェイタン」
「別に、特別なことしてないよ」
「まさか乳揉んだりしてねーだろうな」
「フィンクスと一緒にするな」
「俺だってそんなことしねーよ!.....しかしまあ、なまえの化けっぷりも並じゃねーな」

パーティで二人が感じた視線の主が、なまえに好意を持った男だったことにフェイタンはすぐ気が付いた。仕事に関係ない案件は捨て置いても構わないはずが、どうにも不愉快で致し方なく行動に出たというわけだ。

見張られてると勘違いした彼女はろくな抵抗もできず、真っ赤になってフェイタンを睨み続けていた訳だが.....。
フェイタンは目をキュッと細めて心底楽しげな笑みを浮かべた。

「あいつを翻弄するのはそれなりに愉快だたよ」

傍にいたフィンクス、ノブナガ、シャルナークは一様に彼女への同情心を抱いたという。
「なまえ.....あいつ可哀想にな」
「それよりいいの?フェイ」
「何がね」
グラスを煽りながら適当に返事を返したフェイタン。シャルナークはなまえのいる方を顎で指して続けた。

「そのなまえが今クロロに絡まれてるけど」
「.....」
「絡まれてるっていうかアレセクハラじゃねーか?」
「セクハラではないんじゃない?髪触ってるだけだし」
「おい良いのかフェイ.......。フェイ?」
「もうあっちに居るよ」

彼らの視線の先にはクロロからなまえを引き剥がすフェイタンの姿。ほんの1秒前までここに居たくせに、恐ろしい独占欲である。

「なあ、1週間後、あいつなまえのこと殺すんじゃねーか?」
「俺もそんな気がする」
「まあ素直に手放せるとは思えねェよな」

三人はそういったきり、もう考えることは止めにしてそれぞれが酒に手を伸ばした。

(団長、それセクハラね)
(今最もそれ指摘しちゃダメな人来たんですけど!!)
(ハ?何でワタシがお前にセクハラするか。勘違いも甚だしいよ)
(甚だしくないわい!今世間はこういう話題結構過敏だから!私が告訴したらフェイタンなんか人相も悪いし一発で前科持ちにいだたたたたっ!!)
(生意気な口はこれか。言てみろ)
(フェイタン.....お前楽しそうだな)