「ここからアジトまでどのくらい?」
「またり歩いたら二時間はかかるよ」
「え、うそ、体感時間15分くらいだったんだけどヒソカさんどんだけ足早いの」
「ワタシだて早い」
「あーそっかすぐ追い着いたもんね。あはは、蜘蛛の人ってみんな足速いんだ」
「運動会みたいに言うな」
「私も結構、」

速いんだよ、と言いかけて止めた。
一瞬訪れた沈黙を無理やり方向転換させて、「そういえば」と繕った私を、フェイタンは気付かない振りをしてくれる。

「フェイタンとヒソカさんって仲悪いの?」
「あいつと仲いい奴いないね」
「え……そうなんだ」
「オマエ今かわいそう、とか思ただろ。ワタシと約束したけどたまに話すくらいならいいかなー、バレなければー、とか思たのバレバレよ」
「ななななんのことかのん……ねえ止めてよ読心術!!」
「そなのしなくてもなまえのちぽけな脳みそ覗くくらい簡単よ」
「ちぽけじゃない!!だってかわいそうじゃん!友達いないなんて辛すぎるよ!」
「あいつはオマエと違て『友達=宝モノ』じゃないから大丈夫ね。あいつにとて人間は『殺して楽しい奴』か『つまらないヤツ』かのどちかね」
「そんなデンジャラスな人いるかなー」
「今回なまえ連れ出したのだて、どうせワタシと殺し合いしたかただけよ」

そこで私はきょとんとなる。
フェイタンは、口元の布を引き上げて押し黙った。


「……私を連れ出すとどうしてフェイタンと殺し合いになるの?」
「煩い黙れコロス」
「ねえもしかしてフェイタンと私ってさ」
「……」
「すっごく仲のいい友達と思われてるんじゃない???」

何だかそれって照れちゃうよねー、と頭をかけば、無言のフェイタンにおんぶされたまま尻を抓られた。照れ隠しとセクハラは紙一重だからな。