私が飛行機の中で決めたキャラ設定はこうだ。ザ・クールビューティー!
だけど髪型とか目の色とかがあんまりクールじゃないから(注・個人による完璧な偏見です)私はズラとビン底眼鏡を買った。鼻とチョビ髭つきのやつにしようか真剣に悩んだけど、クールビューティだった!と思い出して止めた。ズラは黒髪だ。憧れの黒髪…へへ。


「イタリアから転校してきました。ナマエです。皆さん、よろひぶ」
「「「「(……ひぶ?)」」」」

噛んだ。

だがしかしここで躓いていてはいかん!今のは無かったことにしよう。
私は脳内デリートをかけて、指定された席に向かって一歩踏み出した。だがしかしバット、力んで勢いよく出し過ぎたあまり

「ぎゃふん!!」
「「「「(ぎゃふん!?)」」」」」

足をくじいた。
つんのめった私を横から支えてくれたのは帽子を被った男子生徒だった。「激ダサ」と小声で聞こえて、むっとした私が顔を上げると驚愕された。

「げ」
「…げ?」
「激マブ」
「は?」


つんのめった拍子に、ズラも眼鏡も吹っ飛んだ。
こうしてありのままを曝け出した私は「ちょっとドジでジョーク好きなイタリアから来た可愛い転校生」というクソ長い肩書の元、クラスに受け入れられたのだった。


(俺は宍戸。宍戸亮だ。アンタみたいなの結構タイプだぜ)
(え、すごいストレート。イタリア人ですか)
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