あたしは握った拳に力を込めた。この手に宿れ、じゃんけんの神!

「じゃんけんっぷぉぉおいいいいやだあぁぁぁああ」
「煩いよオマエ」
「潔く負けを認めなよ」
「フン、残念だったな」
「気張ってけぇ」
「お土産期待してるわ」
「何なの皆揃ってグーって!仲良しか!ハブかんといて!」
「決まったか」
「ザンザス!」
「決まったわ。ナマエよ」
「あたしと離れるなんてやだよね!だって大好きだもんね!」
「お前がな」
「っさいベル!大体この任務、あたし嫌われ役やんなきゃでしょ?やだよいたいの!」
「お前Mだろぉ」
「ち、ちょっとね」
「決まりだな」
「そこで!?」
「この便で飛べ」
「うぇっく、りょうかい…ぐすっ、ぐえ」

涙を呑んで日本行のチケットを手にした私のフードががしっと掴まれた。
ぐるじい…
振り返るとフードを離したボスが立ち上がり、歩き出したところだった。
「?」
僅かに重みの増したフード。
後ろ手に探ってみると、冷たい銃器に指先が触れた。

「え、ザン…、これ」
「……施しだ」
「っ」

遠のく背中に駆け寄って飛びつけばげんこつが降ってきた。アイテ。だけど離さないよ!
ザンザスから元気も貰った事だし、いっちょ頑張ってきますか!
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