ぱちり。急に目が覚めて、ベットから体を起こす。隣で静かな寝息を立てて寝ているグリムジョーを起こさぬようにそっとベットを抜けた。


「…わ」

ベランダに出てみると空には散りばめられた様な星たち。…あ!

「グリムジョー!」
「うぐ!な、何しやがんだ…腹乗るんじゃねェ」
「いいから来て」

痛そうにお腹をさするグリムジョーの手をひいて、私は再びベランダに上がる。寝ぼけ眼のグリムジョーも星に気が付いたようで、空を仰ぎ見た。


「さっき流れ星見えたんだよ!」
「おう」
「グリムジョーにも見せてあげたかったなあ…残念」
「別にそこまで見たかねェよ」
「夢がない」
「あんだと?…お」
「うわ!」

視界の端を星屑が転がり落ちる。


「…見た?」
「おう」
「願い事とかすればよかった…!」
「早くて三回も言ってる間に消えちまうだろ」
「そうだけど…あ、また!」
「流星群だな」
「綺麗」

うっとりと眺めているなまえの横顔をグリムジョーはじっと見つめた後、不意に小さく微笑んだ。

「なまえ」


ふいとこちらを向いたなまえに、手はポケットに入れたまま腰をかがめて口ずける。

「……、な。グリムジョー」
「うるせェよ」

驚きやら恥ずかしさやらが入り交った複雑な表情で、なまえはグリムジョーを見上げる。真っ赤に染まった頬が愛らしく、どこはかとなく美味そうに見えてぺろりと舌を這わせれば、なまえはそれ以上に頬を赤く染めて固まった。

しばらくして放心から解けたなまえが速攻でベットにもぐったのは言うまでも無い。



「グリ、グリムジョーのえっち」
「あァ?今ののどこがだよ」
「全部!破廉恥だよ、まったくもう」
「それ以上の破廉恥叩きこんでやろうかァ?」
「もう寝る!」
「クク、冗談だ」

私の隣に潜り込んできたグリムジョーは、布団の中でもやはり私の斜め上で。私は先程と同じように彼を見上げた。

「…ね。グリムジョー」
「あ?」
「すき」

そんだけ!おやすみ!再び布団の中に引っ込んだ頭を見て、グリムジョーは小さく笑った。

「ばーか」
結局布団の中で思い切り抱き寄せられて、朝までずっとその体制だったのだけど、やはり全然嫌な気はしなくて。つかの間の幸せに私は心から浸った気がした。
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