薄桜鬼 | ナノ



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今日何度目かになる寝返りを打った。
もう眠ってしまわないと明日が辛いというのに、どうしても目が冴えてしまっている。
瞼を閉じる度に、沖田くんの顔が浮かんで眠れないんだ。


思い出すのは今日の放課後。
同じクラスの沖田くんを呼び出して、ついに告白した。
初めての告白はドラマのように上手になんて出来なくて、しどろもどろでカッコ悪かった。
言わなくちゃいけないことを中々言えず、逆に言わなくてもいいこと言っちゃったりして、失敗だと思った。
慌てる私に沖田くんは軽く笑みを零して、そして言ったんだ。
いいよ、僕の彼女になって。


思い出すだけで、頭の中が沸騰してしまいそう。
熱くなった頬を両手で挟んで、布団の中でうずくまる。恥ずかしさを押し殺すため、唇を軽く噛んだ。
まさか、OKもらえるなんて、思わなかった。


沖田くんはクラスでもちょっと目立つ人で、いつも輪の中心にいる。
対して私はクラスメートってだけの、どこにでもいるような存在。
沖田くんとの接点は、一回だけ一緒に日直をやったことだけ。
そのたった一回で、私は沖田くんのことが好きになってしまった。


勇気を出して告白したのは、好きで仕方なかったから。
想いが溢れていっぱいになってしまったから。
全く期待がなかったといえば嘘になるけど、沖田くんがOKくれるなんて夢みたいだ。
沖田くんが私の彼氏なんて、すごい、嘘じゃないよね。
妙に勘ぐり深くなってしまう。
だって仕方ないよね。昨日までは妄想でしかなかった未来なんだもん。
疑ってしまうのは、当然だよ。


タオルケットを被って、無理矢理瞼を閉じる。
眠気は呼んでもないのに来ることがあるくせに、今日に限って全然来ない。
明日からのことを考えると興奮しちゃって、ダメだ。
ウトウトしたかと思えば、急に沖田くんのことを思い出しちゃったりして。
ずっとそれの繰り返しだ。
心臓がうるさくて仕方ない。
身体の中でくすぶった熱は、いつまでも私を引き留めていた。




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