バチバチバチ、澱んだ空から弾かれて柔い皮膚を痛めつける。かたくてつめたくて、はげしい。まるで雹のような、キミの愛。

   絹糸の雨のようにやさしくない。思いやりの心は微塵もなく、ボクを傷つけることしか出来ず。

   痛い、痛いよ、辛くて苦しい、逃げ出したい。でもきっと、ボクよりもキミの心の方がもっと痛いのですね。痛いから、痛みに耐えられなくて、暴れているんですよね?

   ボクはキミをちゃんと愛しているのに、キミはボクの愛を見誤っている。

   ボクのことを、好きで好きで仕方なくて。箍が外れる程、愛し過ぎてしまった。その想いの強さに比例し、増悪するのは不安障害。

   好きなのに、こんなに好きなのに。報われているのに、報われていない。信じたいのに、信じられない。

   濡れ衣を着せられたボクを責め立てる、その手も唇も牙も何もかも。

   赤司征十郎は、愛情の不感症。

   彼の哀しみは滑らかに零れ落ちず、その瞳の中で凍結し、不器用にボクのカラダへ降り注ぐ。

   止まない雹に今日も打たれながら、決心すること。どんなにボクがキミを愛してもその温かさが伝わらないのならば。

   キミのかわいそうな結晶が降り切るまで、ボクは待ちます。

   赤司君、大丈夫、安心して。キミの想い全てを、一生かけて全力で受け止めますよ。



疑心、融解せよ / 死して聖母と呼ばれる前に




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