今日は何の日?

 
「はぁ〜、困りましたね…」


ある日のホンキートンク。

裏では有名のDrジャッカルこと赤屍蔵人が、何故か深い溜め息をついていた。

その横ではGBの2人が青ざめた顔で、そっちを見ている。


「…蛮ちゃん。俺ビラ配りしてくる〜」

「おぉ行って来い」


―カランカランッ


ビラ配りに行った銀次を見送った蛮は、溜め息をついて赤屍に話しかけた。




今日は何の日?




「どうしたんだ? ジャッカルさんよー」


見るに耐え切れなくなった蛮が、赤屍に話しかけた。


「…あぁ、居たのですか」

「いたさ!! 今まで気付かなかったのか!?」


赤屍は全く気付いていなかった様子だ。それくらいかなり落ち込んでいるようである。


「すみませんでした」

「おいおいマジかよっ……んで、どうしたんだよ? テメェらしくねぇ、話なら聞いてやるぜ」


少しの沈黙を破り、話し始めた。


「実は…」










事の起こりは、数時間前まで遡る。


「ねぇねぇ赤屍さん」

「なんでしょうか? 名前さん」

「問題です! 今日は何の日でしょう?」

「…今日、ですか?」

「はいっ!! 今日です」


ワクワクしている様子の名前が、家に遊びに来た赤屍に問いかけたこの言葉が始まりだった。


「何の日ですかね?」

「…。すみません、分かりません」

「え…そうですか。ならいいです」


そのまま名前は、出て行ってしまったのだそうだ。










「それで? どうしたんだよ?」

「その後、戻ってきたのですが…。」










―ガチャ


「名前さん!! 何処にいたのですか!?」

「赤屍さん。思い出すまで、外で考えてきてください!」


―ドンッ バタン ガチャ。


「ちょ…名前さん!?」


赤屍は、名前に家を追い出されてしまった。










「それで今に至るわけです」


重い溜め息をつきながら、赤屍は注文したコーヒーを飲む。


「今日は何の日かって事で、名前は怒ったわけか」

「はい…。美堂くん。今日は何の日なのですか? 貴方は知っているのでしょうか?」


真剣な顔で、赤屍は聞いた。


「さぁな〜。俺には分からないな」

「そう、ですか…」

「あ、そういえば」


話を聞いていた波児が、店のカレンダーを見ながら言った。


「今日は、名前ちゃんの誕生日だな」

「「えぇ!?」」


見事に蛮と赤屍の声が重なった。二人の反応を見て、波児は吃驚しているようだ。


「『えぇ!?』て…お前ら知らなかったのか?」

「はい…。全く知りませんでしたよ。いや、忘れていました」

「俺もだ。それで名前は怒ったわけか。おいさっさと帰って、お祝いしてやれ」

「クス そうさせていただきます」


―カランカラン


そう言って赤屍は出て行った。


「うまくいけば良いんだがな…」


ポツリと波児は言った。







*******







一方


「赤屍さんの…バカ……」


名前が涙を拭いながらポツリと呟くと、チャイムの音が聞こえてきた。


「名前さん。いますか?」


家に着いた赤屍が、中に居る名前に向かって話しかけた。


「赤屍さん?」

「えぇ、やっと思い出した。今日は名前さんの誕生日だったんですね」


―ガチャ


カギの開く音と一緒に、ドアを開ける名前。


「…良かった、思い出してくれたんですね?」

「はい。すいませんでした名前さん」


そっと名前を抱きしめた。


「おや、泣かせてしまったようで…申し訳ない。さて、これから出かけましょうか。名前さんのプレゼントを買わなければ」

「はい!」


抱きしめながら、お互いそう話して家を出て行った。





*END*
製作日:2006/9/11
引越日:2013/12/20
部活の後輩から頂いた小説でした〜!
これも、私が色々手入れをして完成させたものだったり…
後輩は、どうやら私のせいで(!?)色んなものにハマリ始めたようです。
GBの赤屍さんもそうですし、王国心の悪さんにも惚れてしまったとか…
後輩の反応を見るのが、日々の楽しみと化してたり(爆)

ここまで読んでくださりありがとうございます!!



バネさんキャラ崩壊も良いところですねw

 

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