01
─キィン……キィン……!
空中で、武器がぶつかる音が響く。
「返しな!」
「返せません! やっと見つけた……私たちの光なんです!!」
サトミは愛刀を、アズールは腰につけていた中くらいの刀を使って……お互い睨み付けるように刃を交えていた。
「もし、母親に会えても……その後お前らはどうする気だ!!」
「その時は、母さんが教えてくれますよ……」
その会話の後、アズールはカダージュが乗るバイクに降り、サトミは空中で受け身を取った。
「クソ……逃がさねぇぞ!!」
風を纏うサトミは、ずっと先を走るカダージュたちが乗るバイクを追いかけて行く。
丁度平行している高速道路の隣に、よく知るヘリが飛び立っていったことも知らずに……
FF連載SideA
〜ジェノバ争奪戦〜
「よう、相棒。これ……強力なのか?」
ヘリに見送られているのは、レノとルードである。
どうやらクラウドとサトミの援護に来てくれたようだ。
レノの手に握られているものは、少し大きめの爆弾。
「神羅の技術を結集した……」
「これ、アンタが作ったのか!?」
ルードの言葉に、レノは爆弾とルードを交互に見ながら驚いているようだ。
「威力はともかく、派手だ」
「おっと」
力説しながら、ルードもレノが持つモノと同じ物を持っている。自信満々に話すルードに、レノは満足そうに笑みを浮かべている。
「好きだろ? 相棒」
「……今日は残業ナシだぞ、と」
大事そうに爆弾を抱えるレノは、目の前のトンネルへと目線を動かす。
トンネルから出てきたのは、バイクを走らせるクラウド。その後を追うように、遠くにはバイクに乗るヤズーとロッズがいる。
クラウドが出てきたことを確認した二人は、タイマーを設定して近づいてきたヘリに乗り……その場から離れた。
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─ドオォォォン!!
同時刻。カダージュたちを追っていたサトミは、突然の爆発に驚いて後ろを向いた。
威力はすごいが、かなり派手に作られているようだ。
その爆風を背に、飛んでくる一台のバイクがあった。
「クラウドか……」
そう呟くサトミの言葉は合っているようだ。
バイクに乗るクラウドは、サトミの先に走っているカダージュたちのバイクとぶつかりお互い刃を交える。
だが、高速道路は長く続いておらず、途中で道が切れている。
二台のバイクはそのまま崖の下を滑り落ちていき、そのうち一台が先へと走って行った。
遅れてやってきたサトミは、崖の下にあるコンクリートに着地。
「サトミ、大丈夫か?」
「……やっぱりクラウドだったか。お前こそ、どうなんだよ」
「大したことはない」
「本当かよ……」
溜め息混じりで言うサトミ。
「……乗るか?」
「お、助かるぜ。サンキュー」
ひらりと、バイクの後ろに乗るサトミ。
クラウドは、ハンドルを握りカダージュたちの後を追った。