01

 

─キィン……キィン……!


空中で、武器がぶつかる音が響く。


「返しな!」

「返せません! やっと見つけた……私たちの光なんです!!」


サトミは愛刀を、アズールは腰につけていた中くらいの刀を使って……お互い睨み付けるように刃を交えていた。


「もし、母親に会えても……その後お前らはどうする気だ!!」

「その時は、母さんが教えてくれますよ……」


その会話の後、アズールはカダージュが乗るバイクに降り、サトミは空中で受け身を取った。


「クソ……逃がさねぇぞ!!」


風を纏うサトミは、ずっと先を走るカダージュたちが乗るバイクを追いかけて行く。

丁度平行している高速道路の隣に、よく知るヘリが飛び立っていったことも知らずに……




FF連載SideA
〜ジェノバ争奪戦〜




「よう、相棒。これ……強力なのか?」


ヘリに見送られているのは、レノとルードである。

どうやらクラウドとサトミの援護に来てくれたようだ。

レノの手に握られているものは、少し大きめの爆弾。


「神羅の技術を結集した……」

「これ、アンタが作ったのか!?」


ルードの言葉に、レノは爆弾とルードを交互に見ながら驚いているようだ。


「威力はともかく、派手だ」

「おっと」


力説しながら、ルードもレノが持つモノと同じ物を持っている。自信満々に話すルードに、レノは満足そうに笑みを浮かべている。


「好きだろ? 相棒」

「……今日は残業ナシだぞ、と」


大事そうに爆弾を抱えるレノは、目の前のトンネルへと目線を動かす。

トンネルから出てきたのは、バイクを走らせるクラウド。その後を追うように、遠くにはバイクに乗るヤズーとロッズがいる。

クラウドが出てきたことを確認した二人は、タイマーを設定して近づいてきたヘリに乗り……その場から離れた。







****







─ドオォォォン!!



同時刻。カダージュたちを追っていたサトミは、突然の爆発に驚いて後ろを向いた。

威力はすごいが、かなり派手に作られているようだ。

その爆風を背に、飛んでくる一台のバイクがあった。


「クラウドか……」


そう呟くサトミの言葉は合っているようだ。

バイクに乗るクラウドは、サトミの先に走っているカダージュたちのバイクとぶつかりお互い刃を交える。

だが、高速道路は長く続いておらず、途中で道が切れている。

二台のバイクはそのまま崖の下を滑り落ちていき、そのうち一台が先へと走って行った。

遅れてやってきたサトミは、崖の下にあるコンクリートに着地。


「サトミ、大丈夫か?」

「……やっぱりクラウドだったか。お前こそ、どうなんだよ」

「大したことはない」

「本当かよ……」


溜め息混じりで言うサトミ。


「……乗るか?」

「お、助かるぜ。サンキュー」


ひらりと、バイクの後ろに乗るサトミ。

クラウドは、ハンドルを握りカダージュたちの後を追った。







 



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