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「姉さん! 俺と遊ぼうぜ!」
「よっしゃー! かかってこい! 返り討ちにしてやる!」
翌日、朝食を済ませたサトミはロッズの遊びに付き合うこととなった。横では、ヤズーが呆れて様子を見て、マリンは「お姉ちゃん頑張ってー!」と叫んでいる。
そして、カダージュとアズールは朝食の後片付けをしてくれていた。
「ねえカダージュ、遊ぶって言っているけど……」
「"遊ぶ"というより"闘う"が合っていると思うよ」
「だよね……」
食器を片付けながら、カダージュたちは二人の様子を見守っていた。
ヤズーはというと、用意したコーヒーを飲んでいるようだった。
FF連載 SideA
〜Children Come Liver.〜
「青い竜の力、見せてやる!」
サトミは、コートをなびかせ距離を置いて構えるロッズに叫んだ。
「こりゃ楽しみだ……」
構えたロッズは、一息置いてからサトミの方に走り出す。
「やっぱ風と水だな……炎だと木が燃える……」
自分が吹かせている風に、サトミは木々が揺れる音を聞く。
ここはエアリスが眠る地、あまり荒れるようなことをしたくないのだろう……
「隙だらけだぜ、姉さん!」
すぐ近くにロッズの声が聞こえた。
ワープしてサトミの後ろまで迫ってきたようだ。
「おいおい! 私をなめてかかってくるなよ、と!」
恋人の口真似をし、サトミは風の渦を生み出してロッズを飛ばした。
「へへ、そーこなくっちゃな」
「あと、森は壊すなよ……一部でも壊したら、私はお前を本気で殺すからな」
「? 何でだ?」
「教えてやんね」
首をかしげるロッズに対してイタズラっぽく笑ってそう言うと、サトミはロッズと闘い始めた。
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「なあ、ロッズはアズールちゃんが好きなんだよな?」
「でもアズールはカダージュの恋人だ、俺の片想いさ」
キンッ キンッ とロッズの武器とサトミの武器がぶつかる音が響く……
そんな中、二人は普通に会話をしていた。
「でも、それでも……アズールちゃんが好きなんだよな? 言ったのか?」
「カダージュが怖ぇよ……」
弱気で言ってくるロッズに、サトミは刀をしまってデコピンをした。
「いてッ!! 何するんだよ! 姉さん!!」
「こんの弱虫! ちゃんと言ってねぇくせに……な〜にモジモジしてんだよ!! 男なら、当たって砕けて来いっつーの!!」
―ガキィィィン……
最後の攻撃は、サトミが素早く刀を手に取ってロッズの武器を弾き飛ばして終わった。
「勝負アリ、だな。さて……戻るぞ〜」
「なあ姉さん!!」
方をしまって背を向けるサトミに、ロッズが呼び止めた。
「俺は、これからどうすればいいんだ……?」
「……自分の気持ちに素直になりやがれ。私からは、それだけしか言えねえよ……」
Uターンしてバシッとロッズの背中を叩くサトミ。
そして二人は、カダージュたちが待つ湖へと戻って行った……