01

 
セフィロスが星を危機に追い込み、ライフストリームが吹き出したあの日から500年後……

神羅カンパニーは崩壊し、新たな命が芽吹き始めていた。

その年から498年前、あの事件から2年も後のこと……大きな戦いが、再び始まろうとしていた……




FF連載 sideA
〜奇襲と世界の再建〜




北の大空洞……そこで、神羅カンパニーに所属していたタークスのメンバーたちが、何かを探していた。


『ツォンさん! 見てください!』

『うん……あたりだ』


タークスのツォンとイリーナが、目的のモノを発見したようである。

明るい彼女の声に反応し、ツォンは小さく頷きながらあるものを手にする。


『……気持ち悪いっすね』


顔をしかめたようなイリーナの声が、北の大空洞の上空を飛ぶヘリに響いていった……


「いいから急げよ、と」

「イライラしてんなよ、ヘリが揺れる。操縦に集中しろってーの」

「分かっているぞ、と」


声からして男性と女性……タークス一のコンビ・レノとサトミである。

彼女たちの後ろでは、いつものようにサングラスを直して待機しているルードがいた。


『レノ、頼む』

「! あいよ、と」


無線機からのツォンの言葉を合図に、大空洞の中へと入る。

すると……


―ダァァン! ダァァン!


「おいおいおい!」


拳銃の音が響き、サトミは驚いた。

こんな辺境の地に人がいること自体ないことだ。まさかの敵からの奇襲に、サトミが立ち上がる。


「レノ! 私、降りて確認してくるからな!」

「気をつけろ! 何人敵がいるか分からないんだからな!」

「分かってるっての!」


ガコンッとドアを開き、下へ降りたサトミ。


「先輩 早く!」


─ダァァン!


「先輩ッ!」

「あれ……誰だ……!?」


サトミが降り立った場所には、靄にかかった人影が三つ……そのうち二人が銃を手にしているようだ。


─ダァァン!


「うっ!」

「イリーナ!」

「主任! イリーナちゃんも! 大丈夫ですか!?」


サトミが駆け寄ると、正体不明の三人組にツォンとイリーナは追い込まれていた。


「サトミ!」


ツォンは、長方形の箱をサトミ目掛けて投げる。サトミは、いきなり飛んできた物体を掴まえた。


「それを持ってレノたちと先に行け!」

「でも、主任たちが……!」

「い、行って……! 早く!」


イリーナの必死な叫びに、動揺していたサトミはニッと笑って走った。


「必ず助けに行きます! それまで絶えてください!」

「分かってますって!」


そう残して、サトミは高くジャンプして扉が開いた状態で飛んでいたヘリに乗り込んだ。


「レノ! 早く離れるぞ!」

「は? でも主任とイリーナはどうするんだ!?」


いきなりのサトミの言葉に、ルードは驚いて身を乗り出す。

外には、負傷しているツォンと庇うように誰かに発砲しているイリーナの姿がある。


「今は時間がない! 早くしやがれ!! ぶっ殺されるぞ!」

「ひ、人使いが荒いぞ、と」

「グダグダ言うな! 早く操縦しろ!!」


ゴタゴタじつつも、レノはエンジンをフルに回転させて北の大空洞を出た。



―必ず返してもらうからね―



何処からか、そんな声がサトミの耳に入ってきた。


「ッ!! 空耳、か」


だが、彼女自身は気にも留めていないようだった。








 



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