01
 

久しぶりにイタリアのカス共がいるボンゴレ本部に戻ったら……


「いらっしゃ〜〜い! 待ってましたぁぁ〜!」

「は?」


何故か見知らぬ女が出迎えに着やがった。


コイツ、誰だ……?



1000の言葉 Y章



*XANXUS視点*


「やっぱり、ボス素敵! カッコイイ〜〜!!」

「は……?」


久しぶりにやってきたボンゴレアジト。玄関の前で、俺様の顔を見るなり目の前に現れた女はそう叫んだ。

ニコニコと満面の笑顔を向けてくるコイツは、俺が誰なのか知っているようだ。それでいて尚、怯えることなく接してくることに驚きを隠せない。

いや、そもそもこんな女、ボンゴレにいたか……?


「ゔぉ゙ぉ゙い゙! 誰だテメェ!!」


痺れを切らしたかのようなカス鮫に応えるように、奴も負けじと声を上げた。


「先月から居候している友近って言います! よろしくな、鮫!」

「誰が鮫だぁぁぁ!!」

「ししし、間違ってはいねーだろ」

「ゔぉ゙い゙! ベル、三枚に捌かれたいのか!?」

「へー? やれるもんならやってみな」

「ここが血の海になるからやめようよお二人さん」


カス鮫の声に負けじと同じように大声で話しやがった女。便乗するようにベルまで話の輪に入りやがって……マジでウルセェな………

これがいつものやり取りとはいえ、俺は重い溜め息をつく。


「実はですね、これからミルフィオーレアジトで合食会がありまして……」

「知ってるよ。わざわざその為にココに来たんだから」


女の話に被せる様に、フワフワと宙を浮くマーモンが答えた。


「あー、だからヴァリアーのアジトから出てきてくれたんだね〜。ボンゴレとミルフィオーレとヴァリアー……組み合わせが素敵すぎるッッ!! ここまで推しキャラ大集合するとか、ここは天国かな!?」

「はぁ?」


何だコイツ、涙流しながら親指を立ててやがる。俺のことなど二の次のようで、フルフルと震えながらこの場に立ち会えていることに感動をしている。

変わった奴がボンゴレに加わったもんだ……


「そうそう! もう少ししたらツナたちが来るんだけど、一緒にミルフィオーレへ行きます?」


時計を見ながら話す女に、ピクリと眉を動かしながら俺は言った。


「この俺が待つわけがねぇ。先に行かせてもらう、そうカス共に話しとけ」

「リョーカイ! 私の方から話はしておくけどさ、私も一緒に連れて行ってくれる?」


ハァ? テメェはカス共と行くんじゃないのか? コイツ、何を考えていやがる……

突拍子もない事を言いやがって、こっちの調子が狂う一方じゃねーか。


「あら〜? 敵のアジトに知り合いさんでもいるのかしら?」

「うん! レナっていう私の大親友が、ミルフィオーレに居候になってるのだ〜!」


社交的なルッスーリアが女に合わせて声をかけた。コイツに任せた方が話もまとまるだろう。


「あら、それは変ね〜。大親友なら一緒にココにいてもおかしくないじゃない?」

「そう、なんだけどさ〜……実はワケありで。話してもいいけど、信じてくれないと思うからな〜……」


ハハハ、と困ったように頬をかく女。言葉を濁すほど、俺らに対して後ろめたいことでもあるのか?

出会って数分しか経っていないが、コイツがそんな器用なことが出来るとも思えねぇ……


「そんなことないわよ! 私は友近ちゃんの話、信じてあ・げ・る」

「ホントー!? 流石ルッスーリア姐さん!」


俺が思っていることは十中八九当たっているようだ。案の定、ルッスーリア相手にペラペラと話しやがる……

友近、だっけか。見た感じ、ジャッポーネの女か。ジャッポーネの人間なんて、カスな奴らばかりだ……だから、この女もカスの仲間だと判断して間違いないだろう。


「あ……友近、さん」

「おー! 髑髏ちゃんじゃないか! どうしたの?」


嗚呼、またカスな奴がやってきたか……こんなところで話しているせいか、受付の奴あたりが変に気を利かせて上層部に連絡を入れたのだろう。


「ここに、いたのね。もう準備が出来たからって、ボスが……」

「本当に!? じゃ、伝言しなくて良いっか。一緒に行こう〜!」


ちょっと待て、俺らはあのカスと一緒に行く事になるのか? ふざけんじゃねー。

チッと舌打ちをしながら、俺はコイツらに背を向けて歩きだす。


「あら、何処行くのよ。ボース」

「アイツ等と一緒に誰が行くか。俺は先にミルフィオーレに行かせてもらう」

「えー! 待ってよXANXUS! じゃ、ツナたちに『先に行ってる』って話しといて〜!」

「あ、うん。分かった……」


霧の守護者に見送られ、何故か友近を連れてミルフィオーレ本部へと向かうこととなった。

 
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