01
 




見つけた瞬間 思ったんだ。


彼女の声が聞きたい、彼女と話がしたい…


彼女のことが、知りたいって――


理由なんて分からないよ。でも、そう思った一番の決定打は……ボクが、彼女に惚れたということだ――




1000の言葉 U章



*白蘭視点*

ここはボクの自室。そしてベットには、見慣れない服を着た女の子が寝ている。

彼女はさっき仕事帰りに見つけたんだよね。裏通りの片隅で……とても綺麗に眠っていたんだ。そんな彼女に魅入って連れて帰るなんて………ボクはどうかしているのかな?

着ている服を見ると、とても変わっているなーって思う。外国の人かな? そう思いながら、彼女を連れてきたってワケ。近くにあった彼女の持ち物であろう荷物や携帯も一緒に……

そう思いながらボーっとしていると、彼女の瞳が開いた。


「あ、起きたー?」


声をかけると、彼女はゆっくり僕の方を向いた。澄んだ空のような瞳が、僕の顔を写す……


「ここは……?」


嗚呼、とても綺麗な声だな……


「ミルフィオーレのアジトの中」


どうしょう……白い肌に茶髪……すっごい僕好みなんだけど……

世の中には、こんな女の子がいるんだ。


「ミル……フィオー‥‥レ」


そう呟いたかと思うと、いきなり起き上がってボクを見る。

良く見ると、彼女……すごく驚いているようにも見えた。


「ん? どうしたの?」


ニッコリと笑って聞いているけど、心の中は結構自分でも驚くくらい早く鼓動が動いている。

自分でも分かるんだ……結構動揺しているってさ。


「ボスの……白蘭さん‥‥」

「!!」


彼女の呟きに、ボクは驚いた。当たり前だよね、初めて会った子の口から僕の名前が出てくるんだから……

一応、マフィア界でボクの名前を知らない人は誰もいないだろうけど……彼女はどう見ても一般人。表の活動をしているとはいえ、ごく限られた人でないと僕の顔と名前は知らないはずだ。

理由を聞こうとしたら、彼女の持ち物であろう携帯が鳴った。


「あの……」

「……こっちにも聞こえるように話してくれれば、別に話しても良いよ」


ボクがそう答えると、彼女は携帯を耳から話して電話に出た。

なるほど、それなら少し離れているボクにも声は届くだろう。


「も、もしもし?」

『レナ〜!! 良かった〜、電話が使えて〜!』


声からして女の子、この子の知り合いだろう……電話口から聞こえた『レナ』という名前は、多分目の前にいる子の名前。

ふーん、レナチャンか……

レナチャンは溜め息をつきながらすごく嬉しそうに話した。その笑顔も、綺麗だな……


「私も電話が使えて嬉しいよ。今、何処にいるの?」

『聞いて驚け! イタリアのボンゴレ本部だよ〜!!』

「は……?」


目の前にいる彼女は勿論、話を聞いていたボクも目が点になる。

ボンゴレ本部って……ここからすぐ行ける距離にある、ボクのファミリーと同等の力を持ったマフィア、だよね?

じゃあレナチャンは、ボンゴレのスパイ?


『ちなみにレナは何処にいるの?』

「えっと……ミルフィオーレのアジト、です」


ん〜〜。この会話を聴く限り、レナチャンはボンゴレのスパイってわけではなさそうだ。

じゃあ、レナチャンは一体何者?


『ウソー!! ってことは、白蘭や正チャンには会えたの? γとか野猿たちにも会えた?? ちょっと詳しく教えなさいよ〜!』

「ちょ、ちょっと待って!!」


ッ!! 何でボクや部下達の名前、レナチャンの友達(?)も知ってるの?

話を振られている当の本人も困り果ててるし。もう、よく分からなくなってきた……


「友近……」


呆れた様子のレナチャン。どうやら電話してきた子は、友近という名前の子らしい。


「ソンリンダネロハレリミクワサ、トメミギョルナラタラミゲ!」

「!?」


次に聞こえてきた言葉に、ボクは目を白黒させた。が、外国語? レナチャンって本当に不思議な子だ……

それが、一番最初に抱いた彼女の第一印象だった。


 
****|next
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -