01


今から約500年も前の時代に遡る、丁度日本は戦国時代に入っていた。

戦国時代の世、たくさんの妖怪や戦が起こっているこの時代をかけぬけるかのように…… 一人の女性が世間を騒がせていた。


「すみません、遅くなりました」

「いやはや、お待ちしておりましたよ、ミズキ殿」


一人の男に呼ばれた彼女の名前はミズキ。2・3年程前から各地の城に点々と現れては戦に出ている有名な雇われ兵である。

女性なのにも関わらず、その腕で何人もの人間や妖怪を亡き者にしてきているからだ。

たかが女子、されど女子。彼女を敵に回して帰って来たものがいないほど、彼女の戦闘能力はとてつもなく高い。


「いらっしゃいませ、ミズキ殿。奥で殿がお待ちでございます」

「分かりました」


城に入って、案内人に案内されながらミズキは城の奥に入っていった。




1.再会




「失礼します」


奥の居間にいくと、2日後に行われる戦の事を話す殿様と……今回雇われた兵達がいた。

いつも見ている兵の量ではあるものの、ミズキは少々ひきつった頬を抑えながら歩いていった。

ひきつるのも無理ない。彼女は、昔から男と行動を共にするのが苦手なのだ。それは昔から同じ村で暮らす幼馴染が一番の原因なのだが……その話はまた、別の場所で明かす事にしよう。


「おお! 待っておったぞ! ミズキ殿」

「えっと……すみません、途中で道に迷ってしまって……」

「構わんさ、さて 敵陣も名高い雇われ兵を集めているそうだが───」


その後、時間で言えば約2時間の長い話が続いた。

殿の話によると、ミズキと並ぶくらい有名な雇われ兵がいるそうだ。

――七人で百人の兵力を持つと聞く七人隊という集団である――

七人隊のことについては、噂だけだがミズキも耳にしていた。


「まあ、今回は敵同士だしなぁ……一体どんな人達なんだろう……」


そうポツリと呟きながら、案内してもらった寝室から見える月を見つめながら呟いた。

彼女は知る由もない。この七人隊の出会いによって、これから自分の身に異変が起こるなど……そして、彼女の中で止まっていた時が動き出すという事に……





 


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