俺と妹とクリスマス

「馬鹿ぁぁぁぁぁぁ」
「!?」

俺が部屋に入るといきなり枕と毛布がとんできた。

「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ぁぁぁぁぁぁ」
「おい!どういうことだ!説明しろ!」

「説明もどうもある!?今日何の日かしっててその言葉かぁぁぁ」

何の日?何いってんだこいつ。今日は
「クリスマスに決まってるじゃねぇか。」

「うわぁぁぁぁ」
………俺の妹はまぁテンションが高いですこと。
ってかなんで毛布投げるんだよ重いだろ、あれ

「クリスマス爆発しろぉぉぉ」
「えっ」
「クリスマスなんてな!友達も彼氏もいないあたしにとっちゃ世界で1番嫌いな日なんだよ兄貴の馬鹿ぁぁぁぁぁ爆発しろ!」
「で、何してんだよ」
「今からこの毛布と枕で俗にいうリア充とやらを仕留める」
「まんじゅう?まんじゅう仕留めるのか?」
「り あ じ ゅ う !」

………どういうことなんだ…俺が大乱闘スマッシュブラ〇ーズを放棄して出掛けたから怒ってるのか。
相変わらず妹は背丈に似合わず枕と毛布をかかえている。闘牛みたいだ。

「なんでそんなに気にくわないんだ?」
「あたしだって遊びたいよ!家からでちゃいけない病気なんて治したいよ…っ…」

「シリアスな空気の中悪いが、お前がニートなだけだから、病気とかじゃねぇから!」
「ニートなんかじゃないわよ!あたしは自宅警備という重大な任務を行ってるの!」
「………」

もう、無視していいすか…
「それに!赤い服の不法侵入者ももうこないもん!」
「サンタクロースな、お前もう17だからな」
「だから!クリスマス爆発!」
「あぁぁもううるせぇ!」
「うるせぇって何よ!人が真剣に話して……え?」
妹の足元には、赤い袋。
「仕方ないからやる…よ。」
「え?あ、ありがと…う?」
「なんで疑問形なんだよ!って、おい!俺の前で開けるなぁぁ」
「あ、ワンピースだ…女々し…」
「お前、俺がどんだけ恥ずかしい思いして…!」

「ありがと、兄貴!」

そこには、数年ぶりに見た笑顔の妹がいて。

「自宅警備なんかより町の警備の方が…その…かっこいいんじゃないか…?」
「は、町?」
「ほら、町の警備って、なんかヒーローみたいじゃねぇか。」
「町を…私が守る…かぁ…!」
「ヒーローは家に引きこもらねぇだろ?な?」


妹はそれからニートを卒業した。
これで厄介事が少なくなる

そう思ってた。

こういう物語ってハッピーエンドで終わるんだよな、だいたい。

しかし、俺の妹は、

「風が……風が私を呼んでるわ……!」
「は?」


18にして、重度の厨ニ病にかかりましたとさ。



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