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ホッケふ頭での事です。
フェルビノ、エラレア、ザント、アイゴ。いつものメンバーでおなじみのチームですね。
ここでも同じようにビーコンが置かれています。敵陣近くにあるのがエラレアの裏取りビーコン、自陣近くに2つあるのがザントのビーコン。
シューター2人を起点として前線を押し上げ、センプクした敵もフェルビノのスーパーセンサーが逃しません。 いつもの息の合ったチームプレイです。
と、ここである事に気が付いてしまいました。
またも味方が飛んだ気配もないのにビーコンが壊れる音がしたのです。 見ると、フォークリフトの軌道上にあったビーコンが破壊されていました。
もちろん敵のインクも姿もありません。 そして念のためですが、ビーコンの設置主が4コ目のビーコンを置いた訳でもありません。
ですがビーコンは壊されています。何故なのでしょうか。
コンテナの角からザントが顔をのぞかせました。ザントはリッターですから、自陣側に残って敵を狙撃しているのです。
彼は壊れているビーコンに気が付くと、先程と同じ位置にまたビーコンを置きました。 そのまま狙撃に戻って行きます。
丁度良い機会です。ビーコンを観察してみましょう。
しばらく観察していると、ビーコンの上に影がかかりました。 誰かが飛んできた?いいえ、違います。
フォークリフトです。
フォークリフトの軌道上にあったビーコンは、直進してくるリフトに潰され、ガシャンと音を立てて壊れてしまいました。
なるほど。これで消えたビーコンの謎が判明しましたね。
って何のためのビーコンなんですか。
☆
舞台はシオノメ油田。チームはおなじみ省略します。
このステージであることに気が付いてしまいました。 バトル終了後。集まったメンバーにフェルビノが問います。
「そういえばさ。お前ら、ビーコン変な所に置いてないか?」
ごもっともな指摘。 ちなみに今回は、北側の動くクレーンの上、中央のエレベーターの上でした。
マップで見るとビーコンのマークが動いている、不自然な場所です。
フェルビノがザントを見ます。そして、
エラレアを見ました。
おや?不自然なビーコンはザントだけではないのでしょうか。 そういえば、先程フェルビノは″お前ら″と言っていましたね。
「あー、ばれちゃったかぁ...。さすがフェル、気付くの早いよね!」
エラレアがいたずらのばれたような表情をしました。
「マップで見ると動いてるんだぜー!」
ザントも笑顔です。いつもの事ですが。
「クレーンはザントだろうけど...エレベーターの上はエラレアだろ?何でそんな所に...」
クレーンはともかく、エレベーターの上は敵にすぐ壊されてしまう場所です。 フェルビノの疑問顔に、エラレアが答えます。
「だって壊されたら、また置きたくなるじゃない!」
「えっ」
珍しいですね。フェルビノが呆気にとられています。
「敵が中央で何かを探してたのは、これだったんですね」
話を聞いていたアイゴは納得顔です。
「ビーコンはヘンな所に置くのが楽しいんだぜー!なっ、エラレア!」
「そうそう!ザント、分かってるじゃない!」
2人をよそに、ビーコン組は盛り上がっています。 ビーコン使いの美学は使っている者にしか分からないのでしょうね。
フェルビノも、まぁいいか、という表情です。
変な所にビーコンを置いていた2人ですが、ちゃんと味方のサポートのために置くべき場所にもビーコンを置いているのです。
「そういえば、ショッツルにはベルトコンベアがあるのにビーコンを見ませんね」
ふと呟いたアイゴに、フェルビノもそういえば、と2人を見ます。
「えっ?決まってるじゃない。ショッツルは、」
「ベルトコンベアーの上にはビーコン置けないんだよなー」
2人は顔を見合わせて、同調し合います。
やはりビーコン使いの美学は、使っている者にしか分かりませんよね。
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