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ホッケふ頭での事です。

フェルビノ、エラレア、ザント、アイゴ。いつものメンバーでおなじみのチームですね。

ここでも同じようにビーコンが置かれています。敵陣近くにあるのがエラレアの裏取りビーコン、自陣近くに2つあるのがザントのビーコン。

シューター2人を起点として前線を押し上げ、センプクした敵もフェルビノのスーパーセンサーが逃しません。
いつもの息の合ったチームプレイです。

と、ここである事に気が付いてしまいました。

またも味方が飛んだ気配もないのにビーコンが壊れる音がしたのです。
見ると、フォークリフトの軌道上にあったビーコンが破壊されていました。

もちろん敵のインクも姿もありません。
そして念のためですが、ビーコンの設置主が4コ目のビーコンを置いた訳でもありません。

ですがビーコンは壊されています。何故なのでしょうか。

コンテナの角からザントが顔をのぞかせました。ザントはリッターですから、自陣側に残って敵を狙撃しているのです。

彼は壊れているビーコンに気が付くと、先程と同じ位置にまたビーコンを置きました。
そのまま狙撃に戻って行きます。

丁度良い機会です。ビーコンを観察してみましょう。

しばらく観察していると、ビーコンの上に影がかかりました。
誰かが飛んできた?いいえ、違います。

フォークリフトです。

フォークリフトの軌道上にあったビーコンは、直進してくるリフトに潰され、ガシャンと音を立てて壊れてしまいました。

なるほど。これで消えたビーコンの謎が判明しましたね。

って何のためのビーコンなんですか。





舞台はシオノメ油田。チームはおなじみ省略します。

このステージであることに気が付いてしまいました。
バトル終了後。集まったメンバーにフェルビノが問います。

「そういえばさ。お前ら、ビーコン変な所に置いてないか?」

ごもっともな指摘。
ちなみに今回は、北側の動くクレーンの上、中央のエレベーターの上でした。

マップで見るとビーコンのマークが動いている、不自然な場所です。

フェルビノがザントを見ます。そして、

エラレアを見ました。

おや?不自然なビーコンはザントだけではないのでしょうか。
そういえば、先程フェルビノは″お前ら″と言っていましたね。

「あー、ばれちゃったかぁ...。さすがフェル、気付くの早いよね!」

エラレアがいたずらのばれたような表情をしました。

「マップで見ると動いてるんだぜー!」

ザントも笑顔です。いつもの事ですが。

「クレーンはザントだろうけど...エレベーターの上はエラレアだろ?何でそんな所に...」

クレーンはともかく、エレベーターの上は敵にすぐ壊されてしまう場所です。
フェルビノの疑問顔に、エラレアが答えます。

「だって壊されたら、また置きたくなるじゃない!」

「えっ」

珍しいですね。フェルビノが呆気にとられています。

「敵が中央で何かを探してたのは、これだったんですね」

話を聞いていたアイゴは納得顔です。

「ビーコンはヘンな所に置くのが楽しいんだぜー!なっ、エラレア!」

「そうそう!ザント、分かってるじゃない!」

2人をよそに、ビーコン組は盛り上がっています。
ビーコン使いの美学は使っている者にしか分からないのでしょうね。

フェルビノも、まぁいいか、という表情です。

変な所にビーコンを置いていた2人ですが、ちゃんと味方のサポートのために置くべき場所にもビーコンを置いているのです。

「そういえば、ショッツルにはベルトコンベアがあるのにビーコンを見ませんね」

ふと呟いたアイゴに、フェルビノもそういえば、と2人を見ます。

「えっ?決まってるじゃない。ショッツルは、」

「ベルトコンベアーの上にはビーコン置けないんだよなー」

2人は顔を見合わせて、同調し合います。

やはりビーコン使いの美学は、使っている者にしか分かりませんよね。







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