2




『ねぇブチャラティ』
「なんだ」
『ブチャラティの手ってエロいよね』
「...そうか?よく分からん」
『私男の人の指に性的魅力を感じるらしいよ、あとは苦痛に歪む顔』
「...で、お前は今俺の指を見てムラムラした、という事か」
『イグザクトリー!』
「なるほど」

自分の指を眺めながら、やっぱり理解できないのか首を傾げるブチャラティ。あー可愛いこのまま押し倒したい、という願望は心の中に留めて、彼の手を掴み指を一本ずつなぞる。

『綺麗な指だなぁ、長いし』
「nameも綺麗だろう、爪だっていつも可愛いじゃないか」
『...あんたのその無自覚なタラシ気質がたまにウザいよ』
「?」

ブチャラティのこれは天然で、本人に自覚が一切無いって事が本当にたちが悪いと思う。

『ブチャラティは性欲とか無いの』
「無いはずが無いだろう」
『だよね』
「かといって誰でもいいわけじゃない」
『ふんふん、例えば?』
「お前の事はいい女だと思ってる、口と態度は悪いが」
『褒められてんのか貶されてんのか複雑な気持ち』
「褒めてるつもりだ」
『じゃあ私とやりたくないわけでは無い、と』
「まぁそうだな」
『ふんふん、』

そうと分かれば話は早い。まぁ何と無く分かってはいたけど。ここで私の好奇心と欲望が一気に解き放たれた。
掴んでいた彼の綺麗な指を、今度は舌でなぞる。

「っおい、name」
『んー』

中指の根元から爪先まで舐め上げると、彼の身体がピクリ、と震えた。

「お前な...」

はぁ、と今日何回目になるんだろうため息を吐いたブチャラティ。だけど私の手を振り払う気はないらしい。これは肯定だと捉えていいんだよね?

『ムラムラしてきた?』
「こんな事されりゃあ誰だってそうなるだろ」
『うん、分かっててやってるつもり』
「...」
『まぁさすがにここでしようとは思ってないから安心して』
「あぁ俺だってこんな所でしようとは思ってない」
『じゃあする気はあるってこと?やだブチャラティーえろーい』
「お前が誘ってきたんだろう」
『まぁそうだけど』

ブチャラティの長くて綺麗な指が私の頬に触れる。やっぱりこの男はエロい。

「お前...」
『ん?』
「この間プロシュートの家から出て来ただろう」
『...え、え?何で』
「偶然見た」
『あんな明け方に何してたの』
「仕事帰りだ、ついでにジョルノもいた」
『あーーー、そう』

いきなり何を言い出したのかと思ったら...やばい、まさか見られてたのか。いや別に元チームメンバーの家に行くのは良くあることだし、そこに関してはブチャラティも何とも思ってないだろう。ただ今回は相手が悪い。プロシュートは地雷だ。

「name」
『な、なに、別に何も無かったよ?何もしてないからね、酔い潰れただけで』
「お前はもう少し危機感をもて」
『だって私みんなのこと信じてるし』
「それでも男は好きな女が目の前にいたら触りたくなるんだ」
『ブチャラティって私の事すきなの?』
「さぁな」
『えぇぇ何その曖昧な答え』

なんかうまくはぐらかされた感が否めない。まぁ否定されなかっただけいいけど。でも本当の本当に何もしていないのは事実だ。プロシュートは確かに手が早いしエロいしそういう雰囲気にもってくのもうまいけど、あの日は私が速攻で寝たから特に何も無かった。本当に。

「name」
『分かったよ、家に上がるのはなるべく控えるようにします』
「そうだな、そうしろ」

あぁもう、ブチャラティがいきなり話を逸らすから。さっきまでのムラムラはどっかに飛んでいった。まぁ心配してくれてるってのは有難いけどね。
ブチャラティには逆らえないからなぁ。

『ところでブチャラティ』
「なんだ」
『お腹減った』
「...お前は三大欲求に忠実過ぎる」
『それが私のいいところだと思うよ?』
「...」

はぁ、と本日5度目のため息を吐いた彼はゆっくりとソファから立ち上がる。
なんやかんやで面倒見がよくて、気も利くし優しいから、ブチャラティは誰からも好かれるんだ。

『ボロネーゼとピッツァどっちがいいかなー』
「俺は和食な気分だな」
『だが断る』
「...」


20120207

- 9 -


[*前] | [次#]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -