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「アランナ!いつまで寝てるのさっさとおきな!」
布団がひっぺがされ、それに抱きついて寝ていた少女はその反動で思いっきり頭を床にぶつけた。
「ひぐっ?!」
少女が涙目で顔をあげると、目を三角にしたおばさんが仁王立ちしていた。
「ったくほんと使えないわね!ただでさえただ飯食わせてもらってんだからこれ以上手間かけさせないでちょうだいッ!!」
「ご、ごめんなさい・・・」
飛び起きて深々と頭を下げる。
「謝っても遅いのよ!!ほんとにもー、あんた見てるとイライラするわっ!!」
おばさんはしばらく怒鳴りつけ、最後に朝飯抜きを言い渡しでていった。
☆☆☆☆☆
溜め息しかでないような日々。
朝起きて、働いて、疲れて寝る。ずっと続いてきたそんな日々。
私と同じような目に遭っている人なんて、世界に山ほどいるだろう。
もし...もし私が才能(アビリティ)を持っていなかったら。
この日常は終わらない。それだけは嫌だ。
まあ私に限ってそれはないと言えるので、そこの心配はあまりしていない。
スッ、と耳をさわる。
大丈夫。もうすこしで...もう少しで世界を見れるはずだから。書き途中。
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