生憎、僕はアイデンティティーがないもので(なんて悲しいのかしら)

君を愛すことが僕の存在意味だと知った時、初めて君を愛せたよ

嗚呼、キミが嘲りながら笑ってるよ(なのに何故泣いているの?)

その唇に殺されてその唇で生き返って、(その手で引き留められるの)

この止め処なく溢れ出す愛を僕はなんと定義すれば良いのだろうか

名も知らぬ過ちを例えば僕が望んだのなら、(いっそのこと殺してしまえ)

いっそのこと憎いと告げた手首を掴んで崖にでも飛び降りてみようか

愛した人に溺愛して愛したことを溺死させて愛したことに溺れて逝く

キラキラと輝いた僕を見据えた瞳が死んだだけだったのです。

例えば私が貴方より醜くて愚かだったとしたら、(こんな想いなどせずに済んだのでしょう)

美しすぎる死に顔に私は小さく舌打ちしてやった

憎いほど愛してると愛してるほどに憎いならどちらが良い?

君の奏でるクレッシェントブルースに全てを委ねてまて

僕らの心は棘だらけで近付くだけで傷だらけなんだ

影で怯える彼女はこんなにも貴方を愛しているというのにさ

渇いた喉を潤したいと伸ばした右手が私の元から去って行ったのは誰かの左手を憎いと愛おしいと引き抜いてしまったからでしょうか

ゆらりと揺れた恋心はあの日のあの場所に置き去りにされたまま

貴方の前世が私と結ばれるべきものであったなら喜んでこの身を捧げます。確かめる術は無いけれどね

冷たくなった肢体に熱い吐息を吹きかけても温かくはならずキミの身体も私も心も融けていくだけでした

あのまばゆいばかりのきれいでつめたくさみしいはるがもうすぐやってきます。

この一通の手紙は貴方にとっては言及文で、キミにとっては恋文で、あの人にとっては弔文で、私にとってはゴミなのです

あの血溜まりを飲み干さなければ懺悔も贖罪も勿論死ぬことだって出来ない

叫ぶことをやめ耳を塞ぐこともやめ目を瞑ることを初めてやめてから息を辞めれば良いことに気付いた

垣間見えた光に縋ってみようかと寄りかかったら何事もないように消えていきました。哀しいような嬉しいような

自己犠牲でしかキミを愛しく想う気持ちを表せないのはこの僕以外の誰でもないさ