「ピュンマぁ、これ博士から預かったけど」 二センチ四方の小さくて薄っぺらいパネルを渡す。「ありがとう」と受け取ったピュンマは、なんとそれを耳の後ろに差し込んだ。 「えっ、それなに?」 「パッチだよ」 「パッチ?」 「えぇと、定期的に補助脳のセキュリティーとかをアップデートしてるんだよ。最新に保っておかないと…念のためにね」 わかりやすく言い換えてくれたがよくわからなかった。えぇとつまり、ピュンマの脳を守るためのなにかなのだ。 「それしないと危ないの?」 「そうだね。コンピュータウイルスとかが入ったときに負けちゃうから」 「ウイルスに負けたらどうなるの?」 ピュンマはなんだか嬉しそうに笑った。 「死ねる」 彼の心の奥底の願望かも知れなかった。 back |