※レイプと弱エグ注意報






 しばらく動いて急にぴたりと止まった。荒い息を落ち着かせながらナマエを見る。多分俺は妙な目つきをしている。中で微妙に動くものに顔を顰める顔を濡れたままの手で触る。べちゃりとした感覚を脱力した首で避けようとしても、それに倣って首を傾げるオレが追いかける。



「薬、飲むのよせよ」

 口に出してみると、案外頭が冷えた。が、いつかはこうなると思っていた。わがままな俺が、我慢できるはずがない。ナマエの卵子と俺の精子が一つになって、分裂して大きくなって、ナマエの腹が痛いくらい膨れ上がるのを見たくてたまらない。んだと思う。その風船を割るも割らないも俺の気分次第だ。水風船か。出て来た羊水は是非保存して、毎日少しずつでも飲めば、ナマエと子供といつまでも一緒にいられる気がする。とは言ってもほとんどは小便になって出ていってしまうか。いや、そんな現実的なことを考えているんじゃあない、気分の問題だ。まだ少し息の荒いナマエの顔を見下ろしながら萎んだ腹を撫でる。

「……」
「なに?」
「…いやよ」
「なにが?」
「っ、く、ぅ……」
「なにが嫌だって?」
 確かめようと口元を触ると、やっぱり笑っていた。何が楽しいんだか。ナマエを何日間閉じ込めれば排卵があるかとか受精するかとか、ピクニックなんかと同じなんだろうか、筋道を立てて計画するのが楽しいだけなんだろうか。別に、ピクニックが好きなわけじゃあないが。違う、ピクニックなんかとは別格だ。ピクニックしてナマエがつわりを起こすか?
「ガキができたら、俺の思うように育てるんだ。男でも女でもいい。ナマエそっくりの子供が良い。俺なしじゃ生きていけないようにするんだ。俺みたいに」
 俺がナマエなしじゃ生きていけないみたいに。そのナマエが、溢れるばかりの快楽に身を委ねまいと唇を噛み締めている。バカだな、そんな顔したってデキるもんはデキるんだぜ。でも、それでもナマエは、俺なしでも生きられるんだろう。

「やめてぇ……離して……」
「ああ、気持ちいいね」
「うう……」
 全力で俺を押しのけようとする腕を体ごと抱き締めて腰を引いたり押し込んだりする。ナマエのいいところはどこかとか、今はスッ飛んでしまっていた。痛いんだかイイんだかわからないような顔して、ナマエがぼろぼろと泣いた。ああ、気持ちがいい。黒を黒で塗りつぶす。結局いくら画用紙を擦っても無駄だったっていうことだ。


20100105




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