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「せ、ぱい…先輩っ」
「どうした?」
「夢が…っ」
「夢?」
「怖かった…」
もう大丈夫、そう言って抱きしめてもらった気がする…
「写真はスネイプの手に渡ったわね。」
「この後どうするの?」
「アイツが俺たちにアクション起こすはずないだろ?」
「そうなのよ。もっと、情報が必要ね。」
「先生に聞いてみる?」
「誰に?」
「ダンブルドアとか…」
ハリーの提案によって、授業を終えた三人は真っ直ぐ校長室へと向かうことにした。
しかし途中の廊下でマクゴナガルとすれ違うと、残念なことに三人とも呼び止めらてしまった。
「どこに行くのです?」
「校長先生に用事があるんです。」
「校長先生なら留守ですよ。」
「え、」
「夕食の時間には戻られます。…お急ぎですか?」
「あ…いや、その…」
「先生!」
「何です、ミス・グレンジャー?」
校長室へと続く人気のない廊下で、マクゴナガルに返す言葉に詰まっていたロンだったが、それを押しのけてハーマイオニーはマクゴナガルに食いつくように尋ねた。
「あの、お聞きしたいことがあるんですけど。」
「校長ではなく?」
「ええ、先生でも…知っているかと思って、」
「ハーマイオニー!いいのか!?」
「あの…、…誰も、いませんよね周りに。」
「気になるのなら、場所を変えますか?」
「いえ、そんなに大したことじゃないんです。」
言って良いのか悪いのか、ロンを押し退けて思い切ったはずのハーマイオニーも、いざとなると口ごもってしまった。そうして、二人を見かねた残されたハリーが思い切って聞いてみることにした。
「先生は、はるこ・藤沢という生徒を知っていますか?」
「…なんですって?」
「はるこ・藤沢です。僕の両親と同い年で、スリザリン寮出身の。」
「…どこで、それを…」
「あ…先生、トロフィーです。みんなでクィディッチの優勝トロフィーを見に行って、」
「そう、そうです先生、そこで見つけて… 僕の父さんも、シーカーだったのでたまたま」
「…そう…、そうでしたね、はるこ・藤沢…」
「でも…先生は、グリフィンドールの寮監ですから知りませんか?」
「いいえ、知っていますとも。彼女は、」
「彼女は?」
「…三人とも、それをダンブルドア校長に聞くおつもりだったのですか?」
「あ、いや、それは…」
はるこ・藤沢について思い出そうとしていたマクゴナガルが、はっとしたように三人を見つめなおす。ハリーたちは慌てて言い逃れようと必死に脳みそをフル回転させるが、何も出てこない。
「…ミスター・ポッター、」
「は、はい?」
「いずれ… 知ることになるかもしれませんから、」
「彼女のことを?僕が?」
「そう…あなた方三人が、いずれ知ることになるでしょうね。」
「先生、どういうことですか?」
「私の口からは…ちょっと、 時間のあるときに、ダンブルドアをたずねるといいですよ。」
そう言って三人を一瞥すると、マクゴナガルは大広間の方へと足早に去っていってしまった。
しばらくその後姿を見ていると口を開いたのはハーマイオニーで、思いもよらないことを言い出した。
「スネイプに、聞きに行く?」
「ば、バカ言うなよ!」
「ハーマイオニー、君、正気かい?!」
「だって、なんだか…意味深だったじゃない、さっきの先生」
「そうだけど、なんでスネイプに…」
「そうだよ、ダンブルドアだ、夕食の後に会いに来よう。」
「じゃ、とりあえず大広間に行くか。ほら、ハーマイオニー」
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