Clap




※音駒マネージャーヒロイン




わざわざ東京から新幹線に乗ってやって来た宮城での合宿最終日は、烏野高校との練習試合。テキパキといつも通りにドリンクやタオルの準備を済ませ、試合開始直前のコート横ではマネージャーがノートに試合経過を書き込む用意をしていた。



「かっ… からす… からす!」

「……それ、鳥だよ」

「…からす」

「島」

「あっもう… かーらーす、からす… あっこれか!」

「烏高校ってどこ?」

「ぎゃ、カラスに集中しすぎた!」

「あ、試合はじまる…」

「頑張ってね、研磨」

「…うん」



ようやく書き終えたノートには、vs烏野高校の文字。何度も消した後が残るノートに、今回の選抜メンバーの名前を書き連ねて、それから相手のチームの特徴も手際良くまとめる。



「えー、研磨のお友だち… しょー、よー、っと」



コートに視線を戻せばそれぞれのコートで円陣が組まれ、士気を高める掛け声が各々キャプテンによってかけられようとしていた。



「俺たちは血液だ!」

「っぶっは!!!」

「えっ?」



体育館中が熱気に包まれようとしている中、聞こえて来たのは我らが音駒高校キャプテンの声。一際大きな声で聞こえてきたその言葉に思わず吹き出してしまった音駒マネージャーを振り返ったのは、烏野高校の顧問さんとマネージャーさん(美人)。



「ねぇ… 恥ずかしいからやめない?」

「ぎゃっはっは!クロ!ウケる!研磨恥ずかしいって!あっはっはっは!わたしも恥ずかしいわ!めっちゃキメ顔で『俺たちは血液だ!』っぐ… うっふふ、ふは!」

「笑すぎだろおまえ!」



(何あれ…)(さあ…)(音駒のマネージャー笑いすぎだべあれ…)(…バカじゃないの…)(愉快だな…)