昼飯を食いに近くのラーメン屋に行った。
いつも混んでいるが、その日もご多分に漏れず長い行列が出来ていた。
待たされるのが嫌いな私は数軒先のカレー屋に予定を変更した。
ここはカウンターだけの店で、私と同じようにラーメン屋から流れて来た客が多いようである。
『カレーください』
『はい!カレー1枚ね〜』
アルバイトみたいなお兄ちゃんが調理場に向かって声をかける。
『カレーください』
後から私の隣に座った女性が同じように注文した。
『はい!続いてカレーもう1枚ね〜』
再びお兄ちゃんの元気の良い声が店内に響く。
カレーはすぐに出て来た。
だが、先に皿が置かれたのは後から来た女性の前である。
『あの…お先にどうぞ』
私が先に注文したことを知っている彼女は悪いと思ったのだろう…私の方へ皿を押した。
『いえ、構いませんからお先にどうぞ…』
『だって…そちらが先ですから…』
『僕が食べ終わるまで待っててくれたらそれでいいよ♪』
どうしてこういったジョークが言えるのか自分でも分からないが、彼女が笑った。
数分遅れで私の分も出て来たが、食べるとこれが死ぬほど辛い。
水を飲みながら食べている私と違い、彼女は汗一つかかずに平気.....続きはこちら→
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