*シズイザ結婚式にて(手書きで)配っていた無配。

全6種類。確率的にはドタチンが一番低かったというのは秘密です。

発端は池袋の住人が二人が結婚したことを聞いたらどういう反応をするのかなと妄想したことが始まり。(紙の大きさの都合上、非常に汚い字(&誤字ばかり)だったんですが手書きで書いてみました)













■新羅

――結婚しました。
国際便で届いたそんなシンプルな手紙。あの二人が夫婦になる日が来るだなんて世の中は何が起こるか分からないものだなと、窓の外を見ながら考える。

雲一つない秋空。優しげに揺れるカーテンと共にどこからか舞い込んでくる花の香り。封筒に入っていた懐かしき友人たちは、寄り添い合いながら笑っていた。


「ふふふ、幸せそうな顔しちゃってさ」


恩恵に肖りたいと思ってしまうほどその笑顔が輝かしいだなんて、本当に羨ましい限りだよ。


「どうかいつまでもお幸せに」












■九十九屋

結婚したらしいな。
キーボードにそう打ち込めば、数秒のうちに、『なぜ知ってる』という返事がきた。

俺はお前のことならたとえ海外に居たって何でも知ってるよ。

そういつものように打とうとして、――結局は止めた。

代わりに打ち込んだのは今までとは180度意味が違う、言葉。



『おめでとう』



そこには皮肉なんてものはない。なぜだって?

そんなの幸せになって欲しいからに決まっているだろう?











■門田

「いいことだ。いいことじゃないか」


国際便の封筒に入っていた写真。その中では高校時代から色々と手の掛かったあいつが、今ではすっかりと自分の手を離れ、静雄と二人で幸せそうに笑いあっている。

それをどこか淋しいと思ってしまうのは、やはり心のどこかで臨也を可愛がっていた自分がいるんだろう。まさかこの年で娘を嫁に送りだす父親の気持ちを知ることになるなんて誰が予想しただろうか。


「これからは静雄と二人で幸せになるんだぞ」


零れた声が少し震えていたような気がするのは今は気付かないふりをしよう。










■正臣

あの人がいなくなった池袋は平和だ。俺を振り回したあの忌まわしい事件や嫌悪、苛立ちもどうやら一過性の感情だったらしい。懐かしいどころか、淋しさを覚えてしまう辺り我ながらどうかしてる。

それでも、海外で式を上げれたことは本当によかったと思うし、写真の中で笑う二人には心から祝福したいと思う。


「お幸せに」


こうして貴方を祝う日が来るだなんて俺って随分成長したよなぁ。そんな他愛ないことを話ながら、沙樹と共に結婚祝いの品を選びに出掛ける準備を始めた。

贈る品は、もちろん――。










■トム

今日、静雄がアメリカで式を挙げたらしい。思い出すのは、『結婚をしてちゃんとけじめを付けたい。それで臨也を安心させてあげたいんです』と言って、辞表を片手に律儀に頭を下げに来たあの時だ。あの姿を見て、あぁこいつも成長したんだなぁとしみじみと思ったのはやはり長い付き合いだったからだろう。


あれだけ青かったあいつが、ちゃんと一人前に男として愛する人を幸せにしたいと願うだなんて立派になったもんじゃないか。

居なくなっちまったのは寂しいが、お前さんたちが幸せならそれが一番いい。

俺はそう思うべ。










■四木


結婚おめでとう、だなんていいたくはない。九十九屋という名前の奴を紹介したかと思えば、情報屋を畳んで、勝手に海外に飛んでった奴に俺が何かをいう筋合いがあるのか。高校の時から手塩にかけて面倒を見てやったというのに、こうもあっさりと他の男にかっ攫われただんてどうしようもない。


だから祝いはしない。ただ、こうして寄り添い笑い合っている写真を見て、悪くないと思う。ただそれだけだ。


「――とかいいつつ、四木の旦那。顔が弛んでますぜ」

「うるさいですよ、赤林」












11,10,02(sun)
結婚式おめでとう!!


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