「スガが喜ぶもの?」
「はい」
「激辛麻婆豆腐じゃないか?」
「……いや、大地さん物がいいんですけど…」
「スガさんなぁ…」
「龍はなんだと思う?」
「………タオルか?」
「それだったら去年と変わらない……」





6月13日
その日は私にとって大切な日である
孝支先輩の誕生日だ


去年は部活入りたてで、何をすればいいのか潔子さんに聞いて必死だったから、孝支先輩の誕生日を祝う余裕なんてなかった
けど、なんとかプレゼントはあげたいと、タオルをプレゼントしたのだけど、いまだにそれを使ってくれてて
(それがすごくうれしい)
今年もなんとか実用的な物を差し上げたいのだけど、思いつかない





「テニスだったら、グリップテープとかリストバンドとかバイザーとかって思いつくんだけど……」
「うーん、バレーでいるものな…」






あまりバレーの知識がない私は、バレーボールで何が必要だとかっていうのがいまいちピンとこない
徹くんにでも聞けばいいのだろうけど、質問責めされるのが目に見えてるので相談したくない
あとクロも


っていう訳で、大地さんと龍に相談してみたんだけど、あまりいい回答が得られなかった



















「夕ー!」
「おっ柚葵!珍しいじゃねぇか!ここに来るの!抱き着くぜ!」
「遠慮します!」
「…つれない」
「で、本題なんだけどさ」

















「思いがこもっとけばいいんじゃねーの?」
「と、いいますと?」



ここまでのことを全て言うと、そのような言葉が返ってきた




「どんなものでも、柚葵がスガさんのために心を込めたってのが分かればスガさんも喜ぶ」
「………そういうもん?」
「ああ!あ、そういえば旭さんとスガさんが欲しいもの話あってた事があったな」
「!それだ!ありがとう夕!!」
「おお!またな!」




有力情報ゲット!
流石夕!頼りになる!


















「え?スガが欲しいもの?」
「夕から旭さんなら知ってるって聞いたんですけど……」
「?………ああ!」
「!知ってますか!?」
「いやー、サポーターがもうボロボロだって言って新しいの買おうかなって話はしたんだけど……」
「サポーター…!それなら実用的!!」
「スガへのプレゼント?」
「です!」
「おおーそうか!がんばれよー柚葵」
「はい!ありがとうございます!」



そうと決まれば、今日放課後買いに行こう!
旭さんにお礼を言って教室に戻った









「……スガは柚葵から貰ったもんならなんでも喜ぶのになぁ」







そんな旭さんの言葉など聞くこともなく
























「サポーターっていってもいろいろあるなぁ……」




こんなにあったんだ
ありがたいことに、私はサポーターに頼ることはなかった
徹くんはしょっちゅうしてたみたいだけど………

……さて、どんなのがいいのかなぁ


















「ってことで飛雄」
「なんで俺ですか」
「飛雄ちゃんしか頼る人いないよ!」
「………」




困った時の飛雄だ
電話に必ず出てくれる飛雄に感謝感謝





「サポーターってさ……」

























「ってことで、2番目に言ったやつのほうがいいと思います」
「おお!そうなのね!ありがとう飛雄!」
「いえ、では」
「ばいばい!」






飛雄のおかげでいいものが買えた!
あとは渡すだけ………




















「で?」
「うぅ」
「なかなかスガに渡せず、それどころか緊張してスガに近づけず?挙句の果てには避けていると」
「……ハイ」




運命の6月13日
いざ!孝支先輩に渡すぞっ!って思っても緊張して身体が動かない
去年とは違って、この好きという感情がほかと違うって分かってる
だから、動けない



『(だからスガ/さん/菅原さん不機嫌なんだ……)』
「ほら、その手元にあるやつ渡すだけだろ?」
「それが出来たら苦労はしません」
「…………スガー!!!!!!」
「!?」





なにしてくれたの大地さん!!
うわぁあぁあ!!!!
なんだか孝支先輩視線怖いよ!?








「柚葵が話しあるって!!」
「!大地さん!?」






そう大地さんが叫んだ瞬間、孝支先輩はすごいスピードでこちらに向かってきた
こわい、うん、怖い




「ん?なに柚葵」
「あ、あの…」



目の前に来た孝支先輩はいつも以上に顔を近づけてくる
うん、恥ずかしいです





「これ…!」
「……!」




もうどうにでもなれ!と手元のものを孝支先輩に突き出した




「これ…!」
「た、誕生日お、おめでとうございます!!」

















おめでとう



そのあと、孝支先輩は嬉しそうにそのものを抱きしめてありがとうと言ってくれた
そして、この後からサポーターはそれを使ってくれてるのである






















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