女の子にとってカワイイ制服とは憧れである
高校生となると余計に…
烏野を受け、通うようになり1年
最初カワイイ制服と思ったものまで今では身に染みてきた
かといって嫌なわけじゃない
烏野の制服は大好きだ大好きなんだけど


「ほらほら!柚葵コレ着てコレ着て!!」
「………回覧板届けに来ただけなんですけど」
「ただでさえあんまり会えないのにすぐ帰るの!?お兄ちゃん寂しい!!」
「ほぼ毎日部屋に来てる奴は誰だ」
「柚葵口悪いよ!?岩ちゃんみたい!!」
「……後でチクッとこ」
「やめてごめんなさい」
「……で?なんで徹くんそんなものもってるの?怖いんだけど。盗んだの?」
「失礼な!姉ちゃんのだよ!」
「…お姉さんの抜群スタイルの制服を私が着れるとでも…?」
「柚葵もスタイルいいよ!?」
「煽てたも着ません!」

確かに青城の制服珍しく白でかわいいから着てみたいけど、なんだか私には似合わない気がしてきた
普段黒いし

「そう言われると思った」
「?」

徹くんはなんだか意味あり気な笑顔をみせた
あ、この顔はなんだかある顔だな


「徹ー」
「あ、姉ちゃんちょうど良かった」
「ん?あっ!柚葵ちゃんいらっしゃい!」
「お姉さんお久しぶりです!」

どうやらお姉さんはこっちに帰ってきてるらしい
徹くんのお母さんが寂しがってるのかな?
それにしても、相変わらずお姉さんは美人さんで旦那さんが羨ましい

「あら、ますますかわいくなった?」
「そ、そんなことないですよ!」
「(これは……恋してる女の子って感じだわ)」
「姉ちゃんこれ」
「!あ、懐かしい!どこにあったの?」
「押入れ」
「普通のとこにあったんだ……あ!ねえ柚葵ちゃん!」
「はい?」

嫌な予感が


「私柚葵ちゃんの烏野以外の制服姿見たかったの!かわいい柚葵ちゃんの青城姿…みたいなぁ……ね!着てみてくれない?だめ?」
「え"」
「ほら柚葵、姉ちゃんも言ってるし」
「うっ」

断り切れない………





「キャーー!!やっぱりかわいい!!」
「やっぱり萌袖になっちゃうのね!でもそこがいいわ!」
「柚葵ーこっちに視線ちょーだい!もうほんとかわいい!」
「……………」

及川徹家に捕まったら最後
満足されるまで開放されないのがこの家の暗黙の掟
まさか徹くんのお母さんまで出てくるとは……
参った


「というか徹くん何撮ってるの!?消して!」
「えーだめだよ?もうパスワード付きのフォルダに保存したから!」
「最悪!!」
「徹が消しても私のがあるからねー」
「ねー」
「…………」

この血筋が私にもあるのだと思うとゾッとする
みんなに迷惑かけないようにしよう


「折角だから徹と出かけてきたら?」
「え!?」
「いいねー」

いいねーじゃないよ
貴方のファンに見つかってしまったら私殺されるかもなんですけど!?
まあ、なんとなく従兄妹だと気づく顔はしてるけどさ!!


「さ、いこっか」

あれよあれよといつの間にか話が進んで玄関前
これは諦めるしかないようだ
………烏野メンバーに見つからないようにだけはしよう




と思ったのに

「これはどういうことだぁあぁあああぁ!!!?」




私が叫びたい



家を出たあと徹くんに半ば引っ張られる形で来た商店街
きっとバレー部のみんなはこっちにあまり来ないし、来たとしても飛雄だから状況は察知してくれるだろう
もしも偶然出くわしたクラスメイトには明日説明するとして……と頭の中で思考を巡らせていた直後
先程の叫び声が聞こえたのだった

「なんで!柚葵が及川といる!?」
「そりゃー勿論俺と柚葵の仲だから」
「誤解をまねく言い方はやめてよ」
「(柚葵が怒った)」
「ただの及川家の遊び……です?」
「その制服は!?烏野はどこいった!?」

はい。捕まりましたバレー部に
なんでこのタイミングでこの街にいるの……!!
おかしい!特にこのメンバー
飛雄に翔ちゃんに龍に夕、力に大地さんに

「黒色じゃないとなんだか不安になるべ」
「孝支先輩…」

なんてこと………孝支先輩までいるなんて


「心外だなぁ爽やか君」
「俺爽やか君って名前じゃない」
「……あぁ、菅原…くんだっけ?」
「……」
「柚葵は黒じゃなくて白の方が似合うと思うけどなぁ俺は」
「俺は黒色」

…………あれ?
なんだろうこの感じ…

『(菅原さん/スガがキレてる……!!)』
「おかしなこと言うなぁ爽やか君」
「そっちこそ」

ふふふ
ははは
と笑い出すこの二人
怖いとても怖い
なんでこの二人がこんなことで言い争ってるの!?


「柚葵」
「あ、大地さん」
「……確かにその格好だと違和感感じるな」
「……似合いませんかね?」

だから孝支先輩は徹くんにいろいろ言ってるのかな…?


「いやいや!そういう訳じゃないよ!普段烏野に染まってるからいきなり青城になるとなんだか敵になった気分だと思ってな」
「!柚葵さん青城に行っちゃうんですか!?」
「!?」

なんだ、なんなんだこの天使(翔ちゃん)は…!?


「ノヤっさん、柚葵の顔の緩みが半端ないぜ」
「おう、かわいいな」
「ああ、青城の服も捨て難いな」
「ああ、でも烏野が一番だな」
「ああ」
「…お前らの会話凄く馬鹿っぽいぞ」
「!?」
「ばっ」
「(すげー!菅原さんが及川さんと互角に戦ってる!!すげぇ!!!)」
「あ!こら影山!!そんなに目光らせて自分から死にいくな!!田中西谷!影山を止めろ!」
「!おお!!」


「…何してんだお前達」
「なんだか物凄く面白い光景だね」

翔ちゃんの誤解を解き、大地さんになんだかんだ可愛がってもらい癒されみんなの元へと視線を送るとっ、なぜか2年ズに押さえ込まれてる飛雄がいた

「影山だっせー!」
「!?おい!コラテメー!!なんつった!?」
「ひぃ!」
「あー!!もう!!いい加減にしてくれ!」

ピタッとみんなの動きが止まった
今の声は大地さんではない
確かに飛雄付近から聞こえて…

「これ以上騒ぐとどうなるか分かるよな?」

2年のドン
縁下 力様のお言葉でした

『す、スンマセン』

おそるべし力………

「ち、力先輩ナイスっす」
「柚葵?なんで敬語なの」
「い、いや特に理由は…」


「これはどうだ!」
「っは!それくらい持ってる」
「!なに!?なんでなんで爽やか君なんでこのベストショット持ってんの!?」


「力、そのままの勢いであそこ止めてくれない?」
「いや、流石に無理」
「というかスガと及川のやつなんの話してるんだ?」
「ベストショットがうんたらかんたら言ってましたけど……」


「へーんだ!俺なんて今日のベストショット貴重な青城制服バージョン持ってるもんねーだ!」
「!」
「!?」

まさかまさかこの話題は!?

「俺とのツーショットもなかな…」
「あぁぁあああぁああ!!!!!!」

これの写真……!!!
ってことは今までは私のことだったのか!!!


「徹くんも孝支先輩もいい加減にしてください!!!!!」
『えー無理』
「…………」
『柚葵コレクションは外せない』

この人達なんでこういう時にハモるの


「………もう知らない」
「だな」
「ああ」



その後2人がどうなったかは
偶然通りかかった一くんと当の本人達しか知らない


制服はきちんと徹姉に返しました


制服


(柚葵)
(!潔子さん!!)
ぎゅっ
(青城の制服もかわいいけどやっぱり烏野がいい)
((潔子さんに抱きしめられるの最高だけどなんで知ってるの!?……ま、いいか))
((菅原から貰ったデータ焼き増ししとこ))



勝者は清水潔子であった





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