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全国大会まであと1週間とせまった。
このメンバーが緊張するわけがなく、みんないつもどうりに練習をしていた。
(ちなみにいまは練習試合)
8月14日には、全国大会組み合わせ抽選会の関係で東京に行かないといけないらしい。
もうすぐ…
もうすぐ私達の夏が…
終わってしまう。
「なにまた、眉間にしわ寄せてんねん。」
とんっと指で眉間をつつかれた。
「…蔵、」
試合をさっき終えたのか、少し汗をかいている蔵がそこにいた。
白「…なんや自分、またいらんこと考えとるやろ。」
「え…、」
わかったの…?
白「なんか、この前みたいな顔になっとるで。」
「!」
うわっ、顔に出やすいよ、自分!!!!
白「で?」
「…ん?」
白「今回は何考えとったん?」
「…………暑いっすねー…。」
白「話そらすなや。」
爽やかな笑顔なんだけど、蔵の後ろに黒いオーラを感じる!!
「いや、夏終わるとみんなに会えないなー…と。」
白「また理緒は変なことを…、」
「…最近やけに考えるんだよ、今後のこと…。」
白「まあ、その気持ちは分からんわけではない。」
「……、」
最近の私はどうかしてる。
夏がどうしたって言うんだ。
夏が終わっても、みんなと会おうと思ったら会えるじゃないか。
まだ、全国大会が終わったわけでないし…。
全国までは、こんなことは考えたくないんだけど…。
みんなと離れるのが嫌だから、今でもいろいろ今後のことを考えてしまう。
…今はできるだけ、考えないようにみんなの応援しよう。
「光ー!! 謙也なんか倒しちゃえ☆」
光「…理緒先輩、わかりましたわ。
ほな、そういうわけで謙也さん覚悟してくださ…い!!」
謙「ちょっ光、ま、ちょっ!!
待てぇ!!!!!!」
「あはは、
もっとやっちゃえ☆」
白「…理緒、キャラがちゃうで…。そんで、話そらすな。」
「……、」
白「……理緒は何にも考えんと、俺らとおればええねん。」
「……蔵…、」
白「やから、その空元気どうにかせえ。」
「!!」
白「な?」
「…うん!」
蔵は、私の異変にすぐ気づく。
それはとても嬉しいことなんだけど、私としては自惚れてしまうから、なんとも言えない。
光「トドメや!!」
謙「いぎゃぁぁぁ!!!! まてー光ぅぅ!!!!!!」
光「え? なにゆうとんのです? 謙也さんとうとう耳聴こえんようになったんですかー?」
謙「馬鹿光ぅぅ!!!!!!」
光「天才っす…よっ!!」
謙「ぎゃあー!!!!」
あ、そういえば光に謙也倒しちゃえって言ったんだっけ…。
ごめん、謙也。
白「よし、ほな今日の練習試合は終いや。
各コートで、練習。
レギュラーはA・Bコートで、ボレー練習や。
球出しは理緒に頼めるか?」
「りょーかい」
謙「ゲッ」
「ゲッとはなによ、謙也。」
謙「お前俺の時だけ、コース厳しいやないか!!」
「それは謙也が下手なんじゃないの? それと、浪速のスピードスターなら余裕でしょ?」
謙「くっ何も言い返せん…!!」
白「雑談は終いや。
水分補給して、練習開始!」
光「謙也さん、たこ焼きかけて勝負しません?」
謙「それええな!! 勝ったもん勝ちや!!」
金「ええなそれ!! わいも参加するー!!!!!!」
ユ「俺は小春の手作りたこ焼きがええ!」
小「あら! じゃあ、勝ったら作ってあ・げ・る♪」
白「じゃあ俺は理緒のチーズリゾットがええな。」
「…え、」
光「じゃあ、ビリの人が奢るってことで。
部長はビリじゃなかったら、理緒先輩のチーズリゾットってことでええっすか?」
「「「「「ええで。」」」」」
…それ、また私にチーズリゾット作れって話ですか、蔵。
光「理緒先輩にもビリの人は奢るってことでいいっすか?」
「…え、いいの?」
蔵「当たり前やろ。」
光「ってことで、理緒先輩。
謙也さんをいつも以上に厳しく球出ししてください。」
謙「やめろ!!」
「りょーかい、謙也にはいつも以上に厳しく球出しするねー。」
謙「やめてくれぇぇえ!!」
「ごめん謙也、たこ焼きのため…!!」
謙「卑怯やで!!」
「…ナンノコト?」
謙「裏切りものぉぉぉ!!」
大会へ向けての練習いつもどおりの四天宝寺中です!
その後の勝負の結果はご想像におまかせします。
ただ、私はチーズリゾットを作らされました。
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