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ジュー…
くるっ
小「出来たで〜♪」
金「たこ焼きやー!!!!」
今日は、関西大会優勝のお祝いにたこパーならぬ、たこ焼きパーティーを開催中です。
さすが大阪人。
たこ焼き作りなれている。
にしても、部室でたこパーをするとは…。
店だと、お金がものすごくかかるので(金ちゃんが大食いのため)部室で作って食べることにした。
私はというと、家庭科室を貸してもらい、約束していた蔵へのチーズリゾットを作った。
それを持って戻ってくると、丁度たこ焼きも焼けたみたいだ。
ちなみに、私と小春ちゃんと金ちゃん以外はコートで打ち合っている。
金ちゃんはたこ焼きが気になったのか、ここに残る!!と駄々をこねたので、ここにいる。
「小春ちゃん、相変わらずたこ焼き作るの上手だね。」
小「あら〜、理緒だってチーズリゾット作るのうまいわ〜♪(蔵りんへの愛がたっぶりやわ♪)」
「…まあ、蔵が拗ねるたびに作ってたから、作りなれちゃったんだよ。」
蔵が拗ねるたびにチーズリゾット作ってたら、もう得意料理になっていた。
金「あ、理緒姉ちゃん!!それうまそうやんか!!」
金ちゃんが私の手の中にあるチーズリゾットをさしていう。
金「ええなー…、わいそれも食べたい!!」
「あー…ごめん金ちゃん、これ蔵へのチーズリゾットなんだ。」
金「えー!! わいも食べたいー!!!!」
「え…、」
困った。
金ちゃんがこれに反応するのは予想外だった。
たこ焼きしか見えてないと思ったからなぁ…。
小「こら! 金太郎はん、理緒ちゃんを困らしたらあかんやろ!」
金「だってわい、食べたいんやもん…。」
「んー…じゃあ、今度作ってあげるね。」
金「ほんまか!!」
「うん。」
金「わーい!!」
かわいいなー。
弟にしたい。うん。
小「理緒ちゃん、もうそろそろみんな呼んできはったら?」
「あ、そうだね! じゃあ行ってくる。」
小「ドリンクも忘れんようにね〜!」
「はーい!」
あ、ドリンク作らないとないじゃん!!
なんで忘れてたんだろー!!
時間かかるのにー!!
謙「もうそろそろ準備できたんとちゃう?」
白「……せやな。」
謙也と白石はラリーをしながら話し合う。
光「たこ焼きやのうて、ぜんざい食いたかったっすわ。 理緒さんの作るぜんざいうまいんすよね…。」
光はベンチから、不満を言う。
謙「…お前ぜんざいばっかやな。」
光「うっさいですよ、ヘタレ謙也さん。」
謙「んな!!」
白「謙也無駄ありすぎるで。」
ドシュッ
謙也が光に精神的にダメージを食らったときに、白石が綺麗にスマッシュを決めた。
白「…。」
謙「ちょっ白石!!今のはなしやろ!!!!」
白「知らんわ。なんでも、勝ったもん勝ちや。 ほな、帰りジュースなー。」
謙「…今月金欠なのに…。」
白「理緒の分もな。」
謙「なっ!!
…………てか、なんかお前今日変やで…?」
白「なにがなん。」
謙「い、いや、試合(1ゲーム)5分で終わらしたし、いつもの"エクスタシー!"がないから、」
白「謙也が弱いからやろ。
エクスタシーは言いたくないときもあるんや、わかれ、ヘタレ謙也。」
謙「ヘッ……!!」
光「…あわれですね。ヘタレ謙也さん。」
謙「ヘタレヘタレ言うなや!!」
「みんなー!!」
光「あ、理緒さん。」
「おまたせ!!たこ焼きの準備出来たよ。 まあ、まず水分補給して。」
みんなにドリンクを配る。
時間が思ったよりかかってしまった。(だって、冷水機まで行く時間がかかるんだもん!!)
「師範とユウジもここら辺で切り上げてー!」
銀「うむ。」
ユ「よーし、小春ー今行くでー!!!!」
「あ、ちょっ!!ユウジ!! ドリンク!!」
白「まあ、あいつはいらんぽいな。」
「水分補給してもらわないと、困るんだけど…。」
ユウジは私を無視して、一目散に部室へと走っていった。
まあ、ユウジは小春ちゃんと一緒に準備してたけど、ベタベタしすぎたから、小春ちゃんが怒ってユウジを追い出したんだよねー…。
早く仲直りしたいんだろう。
「よし、じゃあ水分補給した人から部室に行って、パーティー始めてて。」
みんなが私にボトルを返しに来て、部室に戻っていく。
師範が返しに来てくれたところで、ふと疑問に思った。
「…蔵、」
師範より先に水分補給していたはずの蔵がまだここにいるのだ。
あれ?こんなに飲むの遅かったっけ?
白「ん?」
「今日飲むの遅くない?」
白「んー…、」
蔵はストローをくわえながら答える。
かわい…!!じゃなくて!!
「どうしたの? なんか変だよ?」
白「理緒、」
「ん?」
白「チーズリゾット…、」
「ん?作ったよちゃんと。」
白「やなくて、」
「?」
白「……金ちゃんにも作るんか?」
「…へ?」
え、なにこの状況!?
なんか蔵の頭に垂れた犬の耳が見えるんですけど…!!!!
白「理緒のチーズリゾットは俺だけのやないん…?」
「え、」
白「…俺以外に食わせるなんてせんで。」
キュンッ
や、やばい…、キュンッってくる!!キュンッって!!!!
白「な?」
「う、うん。」
ああ、ごめん金ちゃん!!
約束守れそうにない…!!
こんな蔵めったに見れないから、ギャップに弱い私には耐えれなかった…!!!!
恐るべし、白石蔵ノ介!!
白「ほな、よかったわ。」
ニコッと蔵は、私に笑って見せた。
ドキ…
ああ、もうだめ…、心臓がドキドキばくばくしてる…!!
…でも蔵、そんなこと言われたら期待するからやめてほしい…。
「…あれ?なんで私が金ちゃんにチーズリゾット作ってあげるって、約束したのしってるの?」
白「…まあ、トイレ行ったときに偶然…な、」
偶然聞いていたわけですか。
「あ……、そろそろ部室行こっか、みんな待ってるし、チーズリゾット冷めちゃうよ、」
部室らへんで、金ちゃんが "はよこなたこ焼きのうなるでぇー!!" ってピョンピョン跳ねているのが分かった。
白「せやな、ほなそれ貸し。」
「え、あっ!」
どうやら、蔵も金ちゃんが見えたらしい。
それと同時にふっと、手からドリンク入れが消えたと思うと、それは蔵の手にあった。
「ちょっ! 蔵、私が持つ!!」
白「アホか。男がいたら、こういうのは男が持つ役目や。」
「いやいや、私マネージャーだから。」
マネージャーである仕事を蔵にやってもらうのは、なんだか申し訳ない。
白「ええって。持たしてくれや。」
「……、じゃあお願いします。」
白「おん。」
そして、部室に戻った私達が見たのは、
金ちゃんがたこ焼き全部食べてしまって、ユウジが暴れていた光景だった。
たこパーこんな、ぐだぐだな皆が大好き。
全国…制覇しようね!!
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