千「"無我の境地"の奥には3つの扉があっとたい」





橘「………」







「"無我の境地"の奥……3つの扉…?」







千「"無我の境地"は知っての通り頭で考えて動くとじゃなくて、身体が実際体験した記憶で無意識に反応するもんたい。
ばってん、そん反動としてもの凄い体力の消耗が、一気に身体に襲い掛かってしまう副作用もあっと。俺は無我に出会ってからそれば長年探究し続けたけんね。
科学的に分析すっ為に大学病院で脳波ば測定し、時には自分の肉体ば限界以上に追い込んだりも…、
(全てはその奥ば知りたいけんたい)」





「無我のためだけにそこまでするのか、普通」



白「千歳は普通じゃないけん仕方ないやろ」




謙「理緒も白石も千歳にひどいで」



白「「え?気のせい気のせい」」



謙「息ぴったりなん腹立つわ」









千「そして俺は…"無我の境地"の奥の3つの扉に行きついたったい」



リョ「……!」




千歳はある人物を指した。




千「"百錬自得の極み"…」




千歳が指した人物は手塚だった。




千「(手塚クンが対比嘉中戦で見せた時は正直身震いしたばい。無我の爆発的に溢れるパワーは左腕1本に集め、威力・回転数などを倍返しで返球し、更に無我の副作用の披露も最小限に抑えとったけんね)


3つの扉のうちの1つたい」





河「百錬自得はやはり無我だったんだ」




桃「(手塚部長はもうすでに踏み込んでいたんだ。"無我の境地"の奥にある3つの扉の1つに………)」




リョ「……」





橘「……で、お前はどの扉ば開けて踏み込んだとや?」



千「バカ言え!足が足がすくんで開けるだけで精一杯ばい」



『………』



四天宝寺側はそんな千歳に何も言えず黙り込んでいた。





千「(ばってん今なら……、桔平が相手なら)」



橘「(コノヤロウ…待っとったって訳や)

遠慮いらんばい来んや!!」




橘が叫んだ瞬間、千歳から何かしらのオーラが出てきた。




オ「!」




その様子にオサムちゃんもリョーマも目を見開いた。




千歳は身体中キラキラオーラに包まれていた。





千「7打目……」





桃「………何だ?」



菊「思ったよりフツーじゃん」





金「千歳何したん?」



白「「さあ?」」



謙「さっきからお前ら息ぴったしやないか!!なんや、聞いとるこっちが恥ずかしいっちゅう話や!!」




白「「俺/私たちは謙也の存在自体が恥ずかしいー」」



謙「!」



謙也は心に傷を負い、地面でのの字を書き始めた。






そんなやり取りがあった中、試合は進む。



橘「返り討ちにしてやっけん!!」



橘のサーブを千歳は難なく返す。



橘「うるぁ!!」



またも千歳はボールを返す。



すると橘は技を出した。




『出たぁ 橘の"あばれ獅子"!!』



そのボールはネットに当たり、千歳のコートへ。



千「"神隠し"」



千歳は神隠しでなんとか拾う。




橘「遅か!!」




そのボールを橘は思いっきり打ったが、





千「その位置での大降りは入らんばい。今ので7打目ばい」






千歳の言う通りボールはネットを越さず、ラリーも7打目で終わった。




『お、おいそう言えば………』




『千歳の言うた通り7打目でポイント決まったでぇー!!』



『予言したぜアイツ!?予知能力でもあるってのかよ、バカな偶然だ!!』



リョ「………」




手「今の奴には試合のイメージが一瞬にして見えているのだろう。」



不「………そんな事が」





千「桔平……次は6打目で決まっけん」



橘「……」




千「これが3つの扉の1つ………"才気煥発の極み"」















無我の奥を知る男













あとがき


ヒロインあんまでてこない…!!
アンケートでも最近人気のブーゲンビリア、みなさまありがとうございます!!














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