翌日─…
「んー…。」
白「?どないしたん?」
「いや、オーダーどうしようか考えてて…。」
理緒はデータを書いている紙を見ながら、どうするか考えていた。
白「いつもどおりでええんとちゃう?」
「でもさ、全国大会初戦だから、ちょっと面白い組み合わせでもいいかなーと…。」
白「…これは…、」
「いいと思わない?」
白「なんちゅうか、新鮮やな…。」
理緒が白石に見せた紙には、
S3 謙也
D2 小春、光
S2 金太郎
D1 師範、ユウジ
S1 蔵
と、書いてあった。
「ちょっとラブルス崩してみた。」
白「おいおい、大丈夫なんかいな…。」
「小春ちゃんが許してくれた。」
白「んでも、謙也がシングルで心配や。」
「一回見たくない?」
白「見たいけど…。」
「ま、3勝すればいいし、謙也が負けても大丈夫でしょ。」
白「そうやけど…。」
「じゃ、オサムちゃんと相談してくるね!!」
理緒は元気に走り出した。
白「……オレ、S3がよかったんやけどなぁ…。(はよう試合したかったわ…。)」
白石は少し落ち込みながら、コートへと足を向けた。
四天宝寺の初戦、岡蔵との戦いは四天宝寺の快勝だった。
やはり、謙也の試合はどことなく面白いものであった。
そして、初めてペアを崩されたユウジは、理緒に詰め寄ったが、白石の黒い笑顔に何も言えなく、後ろの木の影で密かに泣いていた。
金「せや! そういや、コシマエとか戦ってんのとちゃう!?」
金太郎は、ピョンピョン跳ねながら理緒に問いかけた。
「あぁ、たしか比嘉中といま戦ってたはず…。だけど、越前……コシマエくんの試合は終わってる…って、ちょ!!金ちゃん!?」
理緒の喋っている途中で金太郎は走り出した。
白「…たく、あんのゴンタクレは…、」
小「私たちも行くわよ、ユウくん!!」
ユ「待て〜小春ぅぅ!」
光「先輩らキモいっすわ。」
「あれ?みんな行く気まんまん?」
白「今回の要注意校やからな、今年の青学は。」
「なるほど。要は、金ちゃんだけが見たかったのではなく、みんな見たかったのね、青学の試合。」
謙「スーパールーキーも見たいしな。」
「越前くん?」
謙「おん、なんでも今年の青学が強うなったんは手塚だけやなく、そのスーパールーキーもおったかららしんねん。」
白「ま、ともかく見に行ってみよか。」
百錬自得の極み、それが始まった頃理緒たちはコートについた。
「百錬自得の極み…、ちーくん、百錬自得の極みも無我の境地の一つ?」
千「そうばい。」
白「金ちゃん、よう見ときや。あれが手塚クンやで。」
白石は金太郎の頭に手をおき、指をさした。
「今年の青学絶対来るね。」
白「せやな。」
「……、データ集めとく。」
白「おん、頼むわ。」
今年の青学これは、立ちはだかる壁だ。
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