1
金「コシマエー!!どこやー!!!!」
「金ちゃん、まだコシマエ?くんは戦わないんだよ?」
金「えーなんでなん?」
「今日は一回戦しかしないの。コシマエくんがいる青学は私たちと同じシードだから、二回戦からだよ?」
金「えー!!ほな、わいら来た意味ないやないか!!」
「開会式にでないとダメでしょ?それに、あたる学校のとことかも見ないといけないしね。」
金「せやけど…、」
駄々をこねる金太郎に理緒は困った。
白「金太郎、」
すると、ここまでしゃべっていなかった白石が、いきなり口を開いた。
しかも、包帯をほどきかけて。
白「これ以上理緒を困らせたら、毒手やで?」
金「い、いやや!!」
白「ほな、おとなしくしとき。」
白石にそう言われ、おとなしくなった金太郎に理緒は思わず苦笑した。
白「にしても、」
「ん?」
白「やけに騒がしゅうない?」
「……たしかに。」
理緒たちは、騒がしいコートに目を向けた。
「…比嘉中?」
白「いかにもガラ悪そうやな…。」
「九州を今年は沖縄が制してたんだよね。にしても、なんで騒がし……、!!」
金「あ、あれ、コシマエとちゃう!?」
白「青学か?でもなんであいつらが…、今一回戦やろ?」
「…でもコートにいるの六角中じゃない?」
白「なんや?詳しいな。」
「さっきなんか人運ばれてたとき、あのユニホームと同じ人たちがいて、六角ってかいてあったから…。」
白「にしても、1人六角で他青学ってなんかあったんやろうか?」
「…わかんない。」
3人はコートを見つめていた。
金太郎も珍しく騒がずに見ている。
「!!」
理緒は、ある人物を見つけ、見つめた。
白石はそんな理緒を横目で見ながら、目線の先の人物を見つけた。
白「!!(あいつは…、)」
そして、試合は終了し、比嘉中の勝利となった。
「(やっと見つけた…。このペンダント返さなくちゃ。)」
理緒はペンダントを手に握った。
「(…だけど、今はやめといた方がよさそうだね…。)」
理緒は再びペンダントをポケットにしまった。
白「ほな、こっちも終わったみたいやし、謙也たちのとこ戻るか。」
金「わい、コシマエと勝利したらあかん?」
白「あかん。」
金「いやや、わいさっき我慢したやんかー!!」
白「ダメったらダメ。」
金「……ケチ。」
白「毒手。」
白石は黒を交えた笑顔で金太郎に言った。
金「……、」
そのおかげで金太郎は収まり、3人は謙也たちのところへ戻った。
光「あ、理緒先輩に部長や。」
「光、いまどうなってるの?」
光「接戦すわ。まあ、オレらにとってはあくびがでるほど暇なんですけどね。」
白「光、言葉に気ぃつけや。」
光「…はーい。」
「ところで謙也は?」
光「なんか、"進行のスピード遅いねん!!"とかいいながら、ご自慢のスピードでどこか消えましたわ。」
「…あのバカ。」
白「小春とユウジは?」
銀「2人なら別の場所からみるとか言いはって、どこかへ行かれたぞ。」
「師範、どこいったかわかる?」
銀「すまないが、わからん。」
白「はぁ…なんや、まともに試合見とんの光と銀と小石川だけやないか…。」
「ちーくんもいないし…。
ま、しょーがないよ。自由だもん、私たちの部。」
どこまでも自由 それが私たち四天宝寺中のテニス部なんだ。
prev / next