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小「で!?」



「は……、え、」



小「蔵りんからなんて言われたん!?」



ずいっと小春は理緒に顔を近づけた。



「こ、小春ちゃん、顔近い…。」



2人は今にもキスできそうな近さだ。



小「さあ、蔵りんも誰にも邪魔されてへんから、正直に話してみぃ♪」



「(無視ですか。…なんでこうなるの。)」




今の理緒の状況を説明すると、理緒と白石は皆と合流し、ホテルへと帰ってきた。部屋に入った途端、小春からのさっきほどのことについての質問攻めなわけだ。




「なんにも言われてないよ。」



小「嘘やん。顔真っ赤にしとったやない♪」



「あ、あれは!」



小「あれは?」



「……昔話してただけ。」



小「へ?」



「だから!昔話してただけなんだってばっ!!」



理緒は思い出したのか、顔を真っ赤にしながら小春に言った。



小「ほ、ほんま?」



「ほんと。」



小「てっきり蔵りんが告白したんかと思ったんやけどなぁ…。」



「はぁ!!!?」



理緒は真っ赤だった顔をさらに赤くする。



「あ、ああ、ありえないって…!!蔵が私みたいな子好きになるはずないって!!小春ちゃん何言い出すの!?絶対ありえないって!!」



小「(ここまで鈍感やったなんて…。)」



小春は理緒に気づかれないように、ため息を漏らした。



「それに、蔵は私のこと妹としか見てないよ。」



小「それはあらへんやろ。」



「え…?」



小「理緒ちゃんは自分にもっと自信をもたへんと。それに、蔵りんは理緒ちゃんを違う意味で大切にしとるよ。」




「違う…意味?」



小「せやで。わいから言えるのはここまでや。時間がたてば、意味がわかるさかい、理緒ちゃんは待っとき。」



「え、う…うん。」



小「ほな、ここからが本当のガールズトークやでぇ!!」



「え、えー!?」



小「んー、蔵りんのこと聞いてもおもろうないから、初恋についてしゃべってもらうで♪」



「は、初恋って、蔵だよ…?」



がくっ! と、小春は体を落とした。




小「せ、せやなぁ、なら、今まで会った男の子でもう一度会いたいと思った子とかはおらへんの?」



「あ……、」
















白「(ったく、あの2人は夕食の時間ゆうのに、何しとんや…。)」




白石は夕食の集合時間になっても来ない2人を部屋まで呼びに来た。




白「(にしても、小春と一緒にしてほんまよかったんか?)」



白石はうーん…と考え、いつのまにか部屋に着いていた。









小「えー!?






白「!!」



白石がコンコンとドアを叩く前に、小春が大声を出したため、白石は叩くのをやめた。




白「(なんや?)」



耳をすまして、部屋から聞こえる声を聞いた。




小「それ蔵りんに言ったん?」



白「(…オレ?)」



「言ってないよ、なんで?」



小「やって、青学のテニス部やろ?当たるかもしれんやん。」



白「(青学?なんの話しとんや?)」



「うん、でもなんで蔵に言っておかないといけないの?」



小「そ、それは…、(蔵りんが嫉妬で狂うかもしれんからや…)」



小春は声に出せなかった。



「だって、道案内してもらって、ペンダント貰っただけだもん。」



小「(そのペンダントが蔵りんにとってどれだけ嫌だったか。理緒ちゃん鈍感やわ。)」



白「!!(ペンダント?あれか…!!)」



白石には、理緒がいつも大切に持っているペンダントが嫌で堪らなかった。自分はあげていないのに、いつのまにかペンダントを大切にしていたのに妬いていた。それが男に貰っていたのを知っていたから。その男を探して潰そうと考えていたぐらいだ。



「でね、お礼したいんだけどなかなか探してもいなくて…。テニス部ってことは分かってるから、できれば会いたいなぁって。」




白「……、」





小「理緒ちゃん…。」










コンコン…



「!はーい!」



ガチャと理緒はドアを開く。



白「2人とも夕食の時間やで。」



「あ、蔵。 !! わっ、時間過ぎてた!!」



小「あら、やだん!!ユウくんが待ってるわ…!!先に行っとくわねん!!」




小春はハートを散らしながら走っていった。




白「「……。」」



2人はそんな小春を唖然として見つめた。



「わ、私たちも行こっか!」



白「……、」



「……蔵?」




何も言わない白石を不思議に思った理緒が後ろにいた白石に振り向こうとすると、



ギュッ




後ろから抱きしめられた─…。







「く、蔵!?」



白「……、」



「…蔵?」



理緒は照れながら、白石に話しかけた。




白「なぁ…、」



「ん?」



白「……そのペンダントくれた奴んとこ行くんか…?」



「え、うん、お礼言いに会えたら…。」



白「……いかんで。」



ギュッと白石は抱きしめる力を強くする。



「!!!!」



いきなりのことに、理緒はびっくりする。



白「どうしても行く言うんなら、オレも行くからな。」



「え…?」



白「絶対やで。」



白石は理緒の耳元で低く言うと、理緒の手を引いて集合場所へと向かった。









分からない想い






それはどういう意味なの?


分からないよ、蔵─…


























白「(誰だろうと、絶対理緒は渡さん。)」











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