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大「ああ…っ、手塚!!?」
大石は扉の所にいた手塚を驚いたように見た。
「!(…手塚さん、なんか変わった…?)」
理緒は去年の手塚の面影を思い出す。
「(でも相変わらず、中学生には見えないな…。あ、蔵もか。んー…、かわいい子いないかなぁ。金ちゃんみたいな、弟系が。)」
理緒は目を瞑りながらニヤニヤする。
白「…理緒、顔顔。ニヤニヤしとるで。」
「金ちゃんに会いたい。」
白「(ああ、ここは理緒にとってはいい場所でもあらへんからなぁ。かわいい系を好きな理緒にとっては…。)」
2人が話しているうちに、手塚は階段を上る。
手「遅れて申し訳ありません。」
手塚はそう言い、紙を引く。
白「手塚クン、去年よりオーラ増しとるわ。」
白石は頬杖をつきながら、理緒に言う。
「そうだね。」
白「…今年来るかもしれへんなぁ……青学。」
「…かもね。」
こうして全国大会の組み合わせが決まった。
白「ほな、会場見学行くか。」
「はーい。」
全国大会会場─…
「今年は波乱の予感だね。」
白「せやな。」
「優勝…しようね。」
理緒は会場のコートを見つめながら、白石に言った。
白「!! …おん、もちろんや。
(普通の奴は"優勝してね!"って言うんやけどな…。流石、理緒や。オレらと一緒に戦ってくれとんやな…。…オレ理緒のそういうとこが好きなんやろうな。)」
白石はそんな理緒に対して、自分の気持ちを改め理緒を見つめ、
決心した─…。
白「…理緒、あんな、」
「ここって、すべりやすいかな?」
白「え、…まあ、人工芝やからな。」
理緒の言葉で少し白石は、言い逃した。
「怪我しなきゃいいけど…。」
白「しないと思うんやけど…。」
「駄目だよ!!油断したら尻餅つくよ!!」
白「お、おん…。」
理緒はやけに、注意し始める。
白「もしかして理緒、昔の事ひきずっとんか?」
ギクッ と理緒は肩を揺らす。
「イエ、ヒキズッテナンカアリマセンヨ?」
白「片言になっとるで。ええやないか、テニスしとって転けて、パンツ見えたぐらい。」
めっちゃかわいかったでー!と、白石は理緒に笑いながらいう。
「ちょっ!!なに言ってるの!?やめてよ!!」
理緒は顔を真っ赤にさせながら、白石に怒った。
白「イチゴパンツ。」
「やめてー!!!!」
理緒はとうとう涙目になる。
白「(あ、かわええ…。)」
白石は理緒の涙を見ながら、萌えていた。
本来の目的を忘れている白石。
「…蔵なんか知らない…。」
白「ん?そないなこと言うてええん?」
犯されたいん? と白石は続け、爽やかだが黒がまざった笑みを浮かべた。
「すみません。嫌いじゃないです。」
理緒は自分の体の危機を感じて、即座に訂正した。
白「…ほな、オレんこと好きか?」
「へっ…!?」
理緒はいきなりのことに、頭の中が混乱した。
「な、なに言ってるの?もちろん好きだよ…?」
白「それは友達としてやろ?オレが聞いてんのは、恋愛として…「白石〜!理緒〜!おまえらこないなところにおったんか〜!!」 ……。」
白石の後ろに黒いオーラが放たれた。
謙「探したんやで!」
どうやら、白石の言葉を遮ったのは謙也だったらしい。
「け、謙也…。」
理緒は顔を真っ赤にしながら、謙也の方を向いた。
謙「ん?白石も理緒もどないしたんや?」
謙也は2人の様子がおかしいのに気がついた。
白「………謙也、」
白石は黒いオーラをゆらゆらさせながら、謙也の元に歩いていく…。
謙「し、白石…?」
謙也もさすがに白石が不機嫌なことに気がついた。
白「謙也……、覚悟はええか?」
謙「し、白石!!すまんかった!!」
白「ん?なに言うとんのかわからんで。」
謙「し、白石の鬼ぃ!!」
光「謙也さんがいけんのんですよ?オレらは止めたっちゅうのに。」
小「ほんま!!ええとこやったのにから!!」
ユ「まあ、しゃあないな、恋愛ゆうものを知らん奴は空気読めれへんのや。それに比べオレらは大恋愛中やもんなー小春ぅぅ!!」
小「ユウくーん!!」
光「…先輩らキモいっスわ。」
『み、みんな…、』
謙也に続き、レギュラー陣が姿を現した。
金「理緒姉ちゃん!!」
「!!金ちゃん!!」
理緒は金太郎の姿を見るなりむぎゅっと抱き締めた。
「大丈夫だった!?何か食べてた!?怪我してない!?襲われてない!?」
金「大丈夫やで! あんな、平兄ちゃんが助けてくれたんやで!!」
「平兄ちゃん?」
千「金ちゃん助けた人たい。」
「あ、ちーくん。」
光「なんか、その人金太郎を世話してくれたみたいっスよ。」
「え、じゃ、じゃあ、お礼言わないと…!!」
白「大丈夫やて、金ちゃんももう子供じゃあらへんし、お礼もちゃんと自分で言ってるやろ。」
いつのまにか話しに入ってきた白石。
後ろには哀れな姿の謙也がいた。
「(謙也哀れ…。)」
金「理緒姉ちゃん、わいちゃんとお礼言ってるから大丈夫やで!!」
「そっか、金ちゃん偉い偉い。」
よしよしと理緒が金太郎の頭を撫でてやると金太郎は嬉しそうに笑った。
再会無事でよかった─…。
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