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白「…理緒?」
「!?」
白「大丈夫か?」
「あ、うん。」
びっくりしたー…。
いきなり蔵に話しかけられるとびっくりするって…。
白「…何考えとったん?」
「え…?」
白「…いや、何か深刻そうな顔しとったから。」
「…、蔵、」
白「ん?」
「…私達、いつまで一緒にいられるかな…?」
白「!」
「こわいの…、この夏が終わるのが…。」
白「…せやなー…、」
蔵はあえて私に視線をあわせず、コートに視線を落とした。
「…行けるかな…?全国…。」
白「行けるに決まってんやろ。俺がつれれてってやる。」
…蔵が言うと普通にキュンッとくるのはやっぱ好きな人が言うからかな?
白「だから、今は今の時間を悔いののこらんように過ごせばいいんや。
だから、理緒はそんな心配せんでいいんやで?」
「!!」
そうだよね、今は今の時間を悔いののこらないように過ごすだけだよね!!
「ありがと、蔵、元気でた!!」
白「そかそか、」
小「ほらほら、そこの夫婦〜♪ 優勝やで〜♪」
いつのまにか、関西大会決勝が終わっており、閉会式が始まろうとしていた。
って、
「小春ちゃん!! 私達夫婦じゃないよ!!!!」
蔵と夫婦なんて恥ずかしすぎる…!!
カップルにはなりたいとは思ってるけど…。
白「そうそう、まだ俺ら挙式しとらんで〜!!」
蔵も小春ちゃんに抵抗する。
ん?"まだ"?
小「あら、てっきり夫婦かと…。 なら、理緒ちゃんは、私がもらうわ〜♪」
ユ「浮気か!! 死なすど!!」
白「アホか、理緒は絶対誰にもやらんわ。」
……蔵、そんなこと言われたら期待してしまうじゃないですか…。
「ほ、ほら! 蔵も向こう行かなきゃ!!」
なんとか、このドキドキを抑えるために、蔵を私から離す方法を考えた。
白「ん?ああ、せやな。」
そういうと、蔵はみんなが集まっているコートへと行った。
ふー…、なんとか抑えられそうだ。
オ「理緒ちゃ〜ん!」
「は、はーい!」
監督であるオサムちゃんに呼ばれる。
「オサムちゃん何?」
オ「いやー、関西大会優勝したから、あいつらにご褒美やりたいんやけど…、何がええかな?」
「んー…、コケシでもいいんじゃない?」
オ「おー、そーかそーか、コケシか、」
あ、真に受けてしまった…。
まずい、これじゃ、
金「いやや、いやや!!!! わい、たこ焼きがええー!!!!」
あー…、もう来てしまったかー…金ちゃん…。
オ「コケシじゃあかんかー?」
金「いやや!! わいはたこ焼きがええー!!!!」
んーしょうがないなー…。
まあ、敵の大将倒したの金ちゃんだからなー。
「じゃあ、たこ焼きパーティーしよっか!」
金「ほんまか!! わーいわーい!! 理緒姉ちゃん大好きや!!」
金ちゃんがぎゅーと私を抱き締めてくる。
ほんと、かわいい。
「あはは、ありがとー!!」
小「あー!! 金太郎はんずるいでー!!!!」
謙「元気やなー…。」
白「……、」
謙「ん? どないしたんや?白石……って、なに包帯ほどいとんのや!!
ちょっまちぃ!! どこへって、…!! 金ちゃん逃げぇ!!!!!!」
「ん?」
なんかレギュラー陣の方から謙也の叫ぶ声が聞こえる気が…。
ふとそちらへ目を向けてみる。
「!!!!!! き、金ちゃん逃げて!!」
そっちには、包帯をほどいてこちらへ向かってくる蔵がいた。
包帯をほどいているだけならいいけど、黒い笑みを浮かべた蔵がこちらに来ていた。
包帯で人の首しめそうな勢いだ。
え、私達なにかしたっけ!?
とりあえず、毒手で怖がる金ちゃんを避難させる。
「く、蔵!!どうしたの?たこ焼きが嫌だったの!?ごめん!!」
白「……、」
蔵はなにも言わない。
金ちゃんを睨んでいる。
わ、怖い。てか、なんで金ちゃん睨み付けるの!?
「…蔵、金ちゃん睨まないであげて?」
白「………」
蔵はなにも言わない。
「…わかった。 じゃあ蔵には、私の手作りチーズリゾット作ってあげるから!!
その黒い笑みと包帯巻いて!!」
白「……………………しゃーないな…絶対やで。」
「うん。」
シュルシュルと蔵は包帯を巻き戻す。
あー…助かった。
蔵を抑えるのは(操るのは)なぜか私の手作りチーズリゾット。
理由が分からない。
まあ、いっか。
これが
いつもの私達小「蔵りん、嫉妬はよくないわよ〜?」
白「……黙っときや」
「蔵〜!!」
白「!!」
「言うの忘れてた!!
全国つれってってくれてありがとう!!!!」
白「!!」
「試合中の蔵かっこよかったよ!!」
白「!!(は、反則やろ!!)」
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