年上というのは何故魅力的なのだろうか
同級生や年下にはない魅力も感じる
大人そのものを実感する
だから年上に弱いのだ、私は



「こんなところで何してるんです?」
「っ!あ、」
「!」


放課後の教室に1人うつ伏せで泣いていた
用事はないし、なくなったと言っても間違いではない
こんな時間だし誰も来ないと思っていた
でも、紛れもなくそこに人はいて


「名字…?」
「ご!ごめん!!目にホコリが入っただけだから気にしないで!」
「……」


最悪だ、赤葦くんに見られた
このクラスでも一番仲のいい彼には私の彼のことは話しているし、知っている
だからこそ一番見られたらいけない相手なのに
変なごまかしは効かなかったのか、赤葦くんがこちらにくる足音が聞こえる

赤葦くんに何て言おうか
誤魔化してもきっとすぐバレる
赤葦くんとは中学の時からの付き合いだけど、彼にはすぐに見抜かれる
だからか、彼氏ができたこともすぐにバレた
そして相談にも乗ってくれた
こんなに優しい人になんて言うべきなのかわからない
本心で打ち明けたらいいのだろうか


「あのね…」

少し小さな声ではあるけど届くかな?
大丈夫、赤葦くんになら届く


「昨日ね、彼と会って………」
「…うん」
「ちゃんと、目を見て話すの久々で、会うのも久々で、私」
「うん」
「彼の、変化に気付けてなかった……」
「………」

赤葦くんは前の椅子を引き、そこに座った
手はこちらの方へ差し出しながら相づちをうってくれて、私の話を親身になって聞いてくれている
言わなきゃ、どんなことでも素直に、聞いてくれている人のためにも


「好きな……人が、できちゃった……って言われちゃったよ……っ」

また溢れてくる涙
それを拭うのは私の手ではなく赤葦くんの手だった


「なんでかなぁ?わたし、すきなだけなのに、とししただから?そんなりゆう???」
「………」
「どうしたらどうしたらいい?私を一途みてくれる人が現れるの?」


自分でも何を言っているのか分からないけど、赤葦くんに訴えかける
年下だからなに?
お子様に見えるの?
努力ってなんだろう
なんなんだろう……
赤葦くんにいっても仕方ないのに身勝手な私の口からはそんな言葉がでてくる


「私だけを想ってくれて、真面目で、何事も一生懸命な人いないかなぁ……?」

赤葦くんの手が止まった
かと思うと、その手が私の顔を上げさせた
とっさのことに目を見開く私に赤葦くんは


「俺がいる」
「っ!」


その時彼は唇を私のそこに落としてきた



「あ、かあ…し…く、ん?」
「名字名前さん」
「は、はい」

頭がついていかない、大混乱してるところに赤葦くんは待ったなしの至近距離で語りかけてくる
い、息が当たってる……!!

「俺は昔から名前のことが好きだよ」
「!?」
「一途に思ってるのは俺だ」
「あか、あしくん?」

そうだとしたら今まで貴方にひどいことを私はしてきたってこと?
なにも文句を言わずにただただ私の事をずっと聞いてくれてたの?
そんなひどいことをしてたのに私を好き……?
そんなこと







「俺にしときなよ」










何かが落ちる音がした




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