並盛の静かな夜の街──…

そこに、平和な夜には聞くことがない金属がぶつかり合う音が鳴り響く
更には周りが次々と破壊される
幸い建物は壊されてないので被害者が出てないのが救いだ
そんな中ツナのように死ぬ気の炎が額に灯されている少年がいた
その死ぬ気の炎はツナの暖かなオレンジ色とは違い、炎なのに青い
少年は武器だと思われる三角定規のようなブーメランが握られている
それを敵であろう相手の青年に投げたつけた
しかし、それを相手は軽々避ける

「う"お"ぉい!てめぇ何で日本に来たぁ……ゲロっちまわねえと三枚におろすぞぉ……オラァ!」
「答える必要はない」
2人はそれぞれ言い合うと、武器をぶつかり合わせた
金属のぶつかる音が辺りに鳴り響く
「くっ!」
見た目の差もある二人
案の定、力負けした少年は屋上から落ちそうになるが、なんとか建物を掴んでぶら下がっていた

「う"お"ぉい、よえぇぞ」
その瞬間2枚の写真が少年のポケットからひらりと暗闇に落ちていく
「!」
慌てて少年は写真をつかみとる
なんとか少年は2枚とも取ることができ、大事そうに握りしめる
「(こんなところで…やられるわけには)」
その手の写真には、ツナと奈々が笑っている写真
それと、刹那が見知らぬ少女と満面の笑みをうかべている写真があった



「母さん飯まだ?」
「〜〜!!」
「ガハハハ!!」
今日は珍しく奈々さんにお手伝いをさせてもらえなかったから("刹那ちゃんはツっ君と過ごしておいて〜恋人同士交流も大切よ!"という言葉を残し)久しぶりにツナとのんびり過ごして、子守りをしていた
この後予定もあるしラッキーだったのはラッキーだったんだろうけど…
そう考えていたところ、いつの間にかランボの手に肉が握られていた

『もうできてるのかな?』
ツナと共に下に降りてみると
「! すげーごちそう…!!」
目の前には豪華なご馳走が食べて食べて!といわんばかり並んでる…
リボーンはすでに食べて…いないと思ったらすごく美味しそうに食べている
食欲あっていいことだけど

「しかもまだ作り続けている!!」
「ランラーンラン♪」
既にこの人数では食べきれないほどの料理が並んでいるのに、まだまだ作り続ける奈々さん
「ツナ、これはどういうこと?」
「そんなのオレが聞きたい…母さん?」
ビアンキも驚いているようだけど、その手に握られてるものはご馳走の一部だよね?
ランランラーという鼻唄と共に奈々さんは気づいてない
「母さん!!」
「!?あらツっ君〜♪」
綱吉の呼び掛けに上機嫌な奈々さんは包丁を振り回してくる
あ、危ない…
「包丁危ないって!!どーしたんだよ?なんか、態度変だよ?」
そうするときょとんとする奈々さん
そんな奈々さんから爆弾が落とされるとはだれが思っただろうか
「あら、そうかしら…?そーいえば、ツナと刹那ちゃんにはまだいってなかったわね〜2年ぶりにお父さん帰ってくるって!刹那ちゃんのお父さんお母さんも♪」
「『!!?』」
「え!!?」
『な!!!』
「『はあー!?』」
なんだって!!?

「……?」
「そんなにおどろくこと?」
「見つかったんだあの人!?」
「見つかったって…?何のこと…?」
「…父さん…蒸発したとかなんとか」
「やーねーツナったら!だったらツナの学費や食費は誰が稼いでるの?」
「そーだよね……」
「ちゃんと連絡とってたのよ!ツナのお父さんは出稼ぎで外国で石油を掘っている泥の男なのよ」
「なっ」
「泥……」
「まあ、ツナのかんちがいもわかるけど…私もママンがパパンの話をまったくしないから、タブーだと思ってたもの…」
「僕は死んじゃってるかと思ってたよ」
「でも母さん、父さんは消えたっていってたよね?」
「ああ、あれ?あれはお父さんが…出発前に

「行ってくるぞ奈々」
「はい、あなた」
「奈々、おまえロマンのある男が好きだったよなぁ」
「ええ」
「ツナにはオレが消えて星になったとでも伝えておいてくれ…そのほうがロマンチックだ」
「まあ」
「あばよ」

って」
奈々さんは幸せそうに語った
ってそんな話

「納得できるか!!」
おお、ものの見事に心の叫びをツナが言ってくれた
「面白いパパンね」
「で、いつ帰ってくるの?」
「もうすぐよ。絵はがきがきたの!」
「…!」
その絵はがきには、南極の写真をバックに
[もうすぐ帰る 父]と書いてあった
いや、ここって
「石油出んのかよここ!?」
……今日はよくツナとシンクロするなぁ
それはそれとして、私は私で気になる点がある
『奈々さん、父さんと母さん帰ってくるって本当ですか…?』
「ええ、棗さんと杏奈ちゃんは明日帰ってくるって話よ」
『そうですか…』
海外で仕事忙しそうなのに帰ってくるなんて……なんか、大変なことでもあったのかな?
しかも、ツナのお父さんと同じタイミング

なんだか嫌な予感がするぞ…?



「へーよかったじゃねーか!親父さん帰ってくるなんて」
「……まあ…」
「10代目のお父様がご健在だとは…帰ってこられたあかつきには、ごあいさつにうかがいます!!」
「やめとけ……あんなであらめな奴に…」
「ハハハ、なんだよでたらめって」
「昔から言うことやることムチャクチャで、オレが小さい時からほとんど家にいないから、なんの仕事しているかきいたことあるけど…世界中飛びまわって工事現場の交通整理をしてるのさって言われたんたまよ」
「世界中…スか?」
「ワ……ワイルドだな」
「あやしいだろ?」
「そ…そんなことは…」
「小さい時はよくわかんなかったけど、今考えるとおかしいことばかり………だいたい2年間一度も帰ってこないなんてあり得ないし…あんな父親…今更帰ってこられてもな…は──…っ」
「10代目……」
「ん──…!なあこのまま遊びに行かね!?」
「?」
「ナイス、野球バカ!そうしましょう10代目!!」
「…うーん」
「あんま家庭のこととか考えすぎない方がいいっスよ。オレんちなんかもっとドロドロのグチャグチャですしね!!」
「(笑顔ですごいこと言い出した!!)でも、山本学校は?オレは刹那が京子ちゃんと遊ぶって言うから、あの人帰ってきてもめんどくさそうだからついてきただけだけど、山本は補習だろ?」
「まあ、補習だけだろ?今日日曜だから、みんなよぶか」
「アホはよぶなよアホは」
「(もしかして二人とも気をつかって…、…ありがとう)あ!刹那はオレが呼ぶよ」

──ナミモリーヌ
[〜〜〜♪]
ん?この音楽は……
「刹那ケータイ鳴ってるよ?(何となく想像はつくけど)」
『あ…本当だ。もしも「遅い」…ごめんなさい』
「すぐに電話に出ないと心配するだろ」
いや、過保護かな!?
『すみません…それで、ご用件は?』
「今から商店街に来て」
『え…でも今京子ちゃんと』
「知ってる、京子ちゃんと一緒でいいから皆で遊ぶぞ」
『…そんな、一方的な』
「じゃあ、来ないとこの間できなかった続き……するからな」
『え、まっ[ブチッ プープープー…] …』
え?まっていきなり切られたし…ツナ今…

「どうしたの?」
『…どうしよう、京子ちゃん…ツナのところ行かないと、私なにされるか分からない…!』
「え…?」
まさかあのときの事なら大変だ
────…

「アホ共はよぶなって言ったのに」
「誰のことですか!!?」
「(すげー大所帯になってるし…)」
ぞろぞろと団体で商店街を移動する私達
これは、私達合流する必要あった……?

「(やっぱ、京子ちゃんもついて来たか…まあ、刹那が来ただけましか)」
「僕、ゲームセンター行きたい!!」
「おっ勝負すっか?」
「負けねーぞコラ!!」
なんでそこで武くんに闘志を燃やすのだ隼人くん……まあ、仲が良いことは良いことなんだけど

『あれ?ランボがいない』
「本当だ(大変な奴を忘れてた)」
ランボが消えて辺りを見回すと、ペットショップがあった
……ん?あれ?ランボが猫や犬のボックスに混じって…?

「いや…、違和感ないけどさ…」
店員に謝った……違和感なかったから店員さんもさぞかし驚いたことだろう
「もうこんなことすんなよ、ラン…!」
注意したツナがランボを見ると、そこはもぬけの殻
ツナの元から消えたランボは
「目ん玉魚雷発射ー!!」
セクシーな下着を顔にかぶったランボがいた
いや、なにしてるの、変態よ…?
子供だから許されるやつなの?
「……、」
『ツナ?』
「それいいな、Tバックだし…」
まて、まてまて綱吉
おかしいよ、おかしいよね?いつもの冴えたツッコミどこいったの!?
『…ツナ何を言ってるの?』
というか、あれがツナの趣味なの…………?え?私絶対無理だよ、あんな下着つけるの
「うん、刹那に買お」
『ちょっまてーい!!』
「なんだよ刹那」
『買わなくていいからね!?てか、買わないで!!』
「えー…、Tバックいいじゃん」
『よくなーい!!』
「……」
『だまって買いに行くな!!』
ツナは下着を持って店の中に入ろうとする
やばい…!! あんなの着たくないよ…!?
というかすごい行動力だな!?

「ランボさんのどかわいた!」
『ツ…ツナ!!ランボがのどかわいたって!』
「それが?」
なんとしてでも買う気であるな、この男……!
『…私ものどかわいたなーって…』
「これ買ってからね」
『…もう勝手にしてください』
「何言ってんだ…これだけ嫌がってんのに買って穿かせようもんなら刹那に嫌われるぞ」
リボーンよ、そんなんできくわけない…
「…刹那飲み物買いに行くぞ」
『は!?』
きいたの!?
ツナは下着を元あった場所に戻し、私の手をとり自動販売機に向かった
え?ほんとに、そんなので効果があっただなんて……!


「はぁーあれ刹那に着てもらいたかったのに…」
『んぐっ!』
飲んでいたジュースを吹き出しそうになった
『バ…バカ!! そんな事ばっかり言ってると、風華にツナを吹き飛ばしてもらうからね!?てか見る時ないでしょ!?』
<呼んだ?刹那?>
『あ、風華』
「ゲッ」
<"ゲッ"とはなんだ、沢田綱吉>
「別に」
『……あれ?何の音だろ?』
瞬間、辺りに鳴り響いたのは爆発音
こんな平和な並盛に鳴る筈もない音……だんだん近づいてくる…!
すると、近くの建物から爆発音が
「何だ!?」
煙が上がり、その中からひとが放り出された
「は?ええ!!くっ!」
そのひとはツナの上に落ちて……きた
人の上に器用に落ちる事できるんだ
「す…すみませ…!!」
「っ!」
「……おぬし……!!」
「21世紀に、…おぬし?」
「10代目ー!!」
「大丈夫かツナ!!」
「いたっ!」
『ツナ、大丈夫?』

「お、なんであいつがここにいるんだ?」


「う゛お゛ぉい!!なんだぁ 外野がゾロゾロとぉ!邪魔するカスはたたっ斬るぞぉ!!」
建物の壊れたところから、髪の長いロン毛の男がいきなり表れた
こ、声が大きい…!
「あぁ!?」
「…」
「何なんだよ」
「嵐の予感だな」
ただ、ただ……嫌な予感しかしない
……訂正、やっぱり嫌な出来事が起こった…!
建物の上にいたロン毛の人が剣を振るう
もうロン毛でいいかな?
関係ない人たちも巻き込むものだから、人々は逃げまどう……これはただ事じゃない!

「う゛お゛ぉい!!邪魔するカスはたたっ斬るぞぉ!!」
「何なんだ、あの人!?」
『やばいよ…!!絶対こっち側の』
人間じゃんか!
「くそ…」
「女子供は避難するぞ」
リボーンがロン毛にバレないように京子ちゃんに伝えている
確かに一般人である京子ちゃん達を巻き込むわけにはいかない
「刹那は!?」
「刹那はあとから行くから安心しろ」
っていってもきっと行かせてくれないのがリボーン先生だな……
納得しないながらも京子ちゃんは安全な場所へと避難を開始した
何度かこちらを見ながらだったけど……私はもう一般人じゃないからそっちにはいけないんだ

「すみません、沢田殿、刹那殿」
「は?」
『へ?』
そう思っていると、ツナの上に落ちてきてた少年?が話しかけてきた
「つけられてしまいました」
「(だれ?)あ!!頭にあるのって…(死ぬ気の炎か!?)」
誰だか知らない人に名前を知られている状況に混乱しつつも、多分ボンゴレの人間だと思って間違いはないはず
頭の上の炎が物語ってるし…
「せっかく会えたのに……こんな危険な状態に巻き込んでしまうとは…」
「あの、誰でしたっけ?」
「来てください!」
そう言うと、少年はツナと私の手を取って、走り出した
って!
『え!! ちょっ!!』
「何なんだよ!?」
「安全な場所へ!!おぬし達に伝えたいことが!」

「う゛お゛ぉい」
その瞬間目の前に影ができたと思えば、ロン毛が降りてきてた
ぜ、絶体絶命……!
「!!」
「もう鬼ごっこは終わりにしようや」
「んだよ…!!」
「で、何だ?そいつは…ん?その女…」
え、なんでロン毛さんにガン見されてるの
あ、まさか私の事バレた感じ……?

「!!?(奴は沢田殿を知らなかったのか!?しまった! ここはやりすごすべきだった!!)」
「そろそろ教えてもらおうか?」
そう言ったロン毛がいきなり消えた
と思ったら少年の懐に入り、剣を既に振るっていた
逃げる余地がなかった少年は
「がっ」
「!!」
ガラスを破り、倒れ込んでしまった
「君!!」
「う゛お゛ぉい」
『!』
その声量と、今目の前で起きたことに対して身体が反応してしまう
頭の中の警告も鳴り響いてる感覚…このままではまずいと
「っ!」
「そーだぁ、貴様だぁ…このガキとはどーゆー関係だぁ?ゲロっちまわねーとおまえを斬るぜ」
「は? こっちが聞きたいんだけど…」
つ、ツナ……度胸がある
すると、突然ロン毛の上にダイナマイトが降ってきた
「!!」
隼人くんのダイナマイト…!
ロン毛は建物を利用して、ダイナマイトを避けた
「なんだぁ?」
「……?」
ロン毛の後ろにいたのは
「その方達に手をあげてみろ…ただじゃおかねぇぞ」
「ま、そんなとこだ。相手になるぜ」
『隼人、武!!』
「持ってきてねーのに、なぜかオレのバットがたてかけてあったんだよな」
「(あいつの仕業だ…)」
武器を片手にロン毛に立ち向かう隼人と武

「てめーらもカンケーあんのか。う゛お゛ぉい、よくわかんねーが、一つだけ確かなことを教えてやんぜ…オレにたてつくと、死ぬぞぉ」
「その言葉そのまま返すぜ」
「ありゃ剣だろ?オレからいくぜ」
「やめてください!おぬしらのかなう相手ではありません!!」
いつのまにか、少年が起き上がっていた
よかった……生きてた!
「(そーいやー、リボーンはどこ行ったんだよ)」
「後悔してもおせぇぞぉ!」
「行くぜっ!」
そういうと武は山本のバットを変型させ、相手の剣と交わる
金属のぶつかる音が辺りに鳴り響く
し、真剣での戦いなんて中学生がすることじゃないのに……!
「貴様の太刀筋、剣技を習得してないな」
「だったら何だよ」
「軽いぞぉ!!!」
「ぐっ」
一気に押してきたロン毛の剣を武はなんとか受け止めた
その瞬間いきなりロン毛の剣から何かが出てきた

「!!」
その物体を武はなんとか避けたが、爆発が起こった
って!
『武!』
「!火薬!!?」
「山本!!」
まさかの火薬により武は倒れてしまった
え、まって……このままじゃ
「ヤロッ!!」
すると、煙の中から
「おせぇぞ」
「!?」
ダイナマイトの線を切ったロン毛が
かかさずロン毛は、片足を振り上げ
「!!」
隼人の頭に降り下ろした
「ぐあっ」
『隼人!!』
隼人くんも倒れ込む
だめ、だめ!!
この人きっと……本気で殺しにかかってきてる…!
「う゛お゛ぉい、話にならねーぞぉ こいつら。死んどけ」
おもいっきり二人に剣を振り上げるロン毛に我慢が出来ないのを感じた
『っ!!風華!!』
<分かったわ刹那>
「!!」
「! 刹那!!」
「いけません!!刹那殿!!」
私は二人の間に入り、ロン毛を二人から風の力で遠ざける
こんなことしか今はできないけど時間を稼ぐことは出来るはずだ……その間にこの騒ぎだ
きっと助けがくることを信じて

「刹那? !!この風といい、世界の……ボンゴレの姫かぁ!!」
『まだボンゴレって決まったわけじゃないけど…だからってなに?』
「こりゃ面白いじゃねーの!!きっとボスもよろこぶぜ!」
そう言うと、ロン毛はこちらに向かって走り出してきた…!
「お前は、ボスやオレらの大切な存在だからなぁ!!連れていくぜ!!」
『…できる…もんならね!』
先程より強い風を起こさせる
台風よりも荒々しい風なはずなのに
「あまいぞぉ!!」
『なっ!!』
ロン毛はスピードを落とさず迫ってくる…!
<っ!! 刹那!!>
「おまえは、そいつの力を十分に発揮させてねぇ…だから、こんなにも簡単に…」
っまずい…!
『!!』
「捕まえられる」
私の腕が意図も簡単にロン毛に捕まれた
だけど、当初の目的とは違っても時間を稼げているし、二人から意識をそらせた……それだけでも十分
それに
『……へえ、まだまだ私も未熟って訳ね』
「だが、これからは俺たちが育てていくから安心しろぉ」
『…そうなのね……でも私、綱吉以外はお断りよ』
あなたたちみたいな人より綱吉と一緒にいたいもの

すると、いきなり腕が離された
少年が私の身体ごと引っ張ってくれ、ロン毛から離してくれたようだ
『あ、ありがとう!』
「いよお゛ぉゴミ野郎!そろそろゲロッちまう気になったか?」
「断る!!」
「なら、ここが貴様の墓場だぁ」
戦闘体制に入ったロン毛を見ると、少年は私をツナの方へ行くように背中を押してきた
そして少年が武器を出すと、再び金属がぶつかり合う音が鳴り響く
「くそっ! どうすんだよ…!!」
『ツナ……』
すこし焦りを見せ始めるツナになにも言えない自分がもどかしい
すると、ツナの上に何かが落ちてきた
「ん? この手袋は…!!」
そう、27と書かれた手袋が落ちてきた
「手相を見せる時も、真夏のうだるような、暑い日でも、その手袋はつけとけ」
『リボーン!どこから…』
「なっおまえ!!この大変な時にどこにいたんだよ!?」
「オレにもいろいろ事情があるんだ」
瞬間、粘っていた少年が斬られ、死ぬ気の炎も消えてしまった
「うう…」
「う゛お゛ぉい、まさかオレに勝てるとでも思ってたのかぁ?野良犬の分際で……、話はそっちのガキから聞くことにしたぞぉ、てめぇは死ねぇ!!」
『やめて!!』
風を起こすけど一瞬しか稼げない…!
と思った瞬間、銃声が鳴った
「復…活!!!!」
あれは死ぬ気弾が撃たれた音…!
ツナがグローブを着けて、死ぬ気モードになっていた
「!」
「ロン毛!! 死ぬ気でお前を倒す!!!」
「う゛お゛ぉいなんてこった…死ぬ気の炎に…このグローブのエンブレムは…まさかおまえ噂にきいた日本の…そうか…お前と接触するために…ますます貴様ら何を企んでんだぁ!?死んでも吐いてもらうぞぉオラァ!!!」
噂…?接触?企み……?一体この人は何を言っているんだろう…?
『!』
だけど、なんとなくわかった気がした
リボーンの表情が硬い……きっとこれもボンゴレ…マフィア絡みなんだ

「うおお!」
死ぬ気のツナは荒々しい
右手で拳を作ってロン毛を殴ったけど、ロン毛はツナの拳を掴んだ
「!?」
「う゛お゛ぉい、よえぇぞ」
「くっ!」
『ツナ!』
そのまま投げ飛ばされたツナは転がっていった
「死ぬ気弾じゃ歯が立たねーのか(本当は小言弾でハイパーな死ぬ気モードにしてえとこだが、あれを使うと、あのツナでも1週間筋肉痛で動けなくなるからな)」
その後もツナとロン毛の攻防戦が続いたけど
「!!」
とうとうツナの死ぬ気の炎が消えてしまった
時間切れ…!
「う゛お゛ぉい、いつまで逃げる気だぁ!?」
「っく!」
「腰抜けが!!」
ロン毛の剣から火薬が放たれる
『綱吉!!』
「チッ!!」
すると、ブーメランが飛んできて火薬にぶつかった
その瞬間綱吉とさっきまで倒れていた少年がその場から消えた…


「ぐっハアハア」
「…ありがとな」
「ハアハア」
「お前、大丈夫か?」
なんとか、からがらロン毛から距離が離れた場所へ避難したツナと少年
「拙者はバジルといいます。親方様に頼まれて沢田殿にあるものを届けにきたのです」
「は?オレに?…つーか親方様って…?」
「ハアハア、 これです」
「?」
バジルと名乗った少年は徐に箱を取り出して、ツナに開いて見せた
その中には7個のリングがきれいに並べられて入っている
「なに…コレ…!?」
「何かはリボーンさんが知っています」
「え?お前、リボーンを知ってんの?」
「リボーンさんはわけあって戦えません。これを持って、刹那殿と逃げてください!」
「!! 急にそんなこと言われても…」
「う゛お゛ぉい、そぉいぅことかぁ!こいつは見逃せねぇ、一大事じゃねーかぁ…貴様らをかっさばいてから、そいつと姫の刹那を持ち帰らねぇとなぁ」
時間切れのようだ
二人はロン毛に見つかってしまったし、目的を知られてしまった
「くそ!」
「なんなんだよ、どーすんだ!?」
「……やべーな」
「う゛お゛ぉい、ソレと刹那を渡す前に、何枚におろして欲しい?」
「渡してはいけません、沢田殿」
「ああ(リングはどーでもいいが、刹那は絶対に渡さねー!)」



「あいかわらずだな、S・スクアーロ」
消えた二人をロン毛の人が追っていったのを見て、私とリボーンも追いかけた
やっとツナ達の所に追い付けたと思ったらそこには
「!?」
「子供相手にムキになって、恥ずかしくねーのか?」
ムチをもったディーノさんがいた
「!?」
「ディーノさん!」
「! 跳ね馬だと!?」
「その趣味の悪い遊びをやめねーっていうんなら、オレが相手になるぜ」
というか、ロン毛はスクアーロっていうんだ……鮫か
「(日本のガキ、こんなコネをもってやがるのか。跳ね馬ディーノ…こいつを相手にするとなると一筋縄じゃいかねーか)う゛お゛ぉい、跳ね馬…お前をここでぶっ殺すのも悪くない。だが、同盟ファミリーとやりあったとなると上がうるせえ……今日のところはおとなしく…」

帰るかと思った、そんな感じだから帰ると思った
『ほへ!?』
「帰るわきゃねぇぞぉ!!」
のに!!!なんで私はスクアーロ?さんに抱き上げられてるの!?
「手を放せ!!」
スクアーロさんは武を攻撃したように剣から火薬を出してきた
え、まって、ちょっと!本当に連れ去られるやつじゃん…!
「やろう!」
「ゴホ!」
「カハッ」
「んっ!お前達! 大丈夫か?」
煙幕でなにも見えないけど、このスクアーロさんが素早く動くのを風で感じる
多分、動けない二人になにかしてる…!
「貴様に免じてこいつらの命はあずけといてやる。だが、こいつらはいただいていくぜぇ、う゛お゛ぉい」
私を抱えたスクアーロさんの手には、箱があった
私を抱えながらよく機敏に動けますね!?
「な」
「ああっ、ボンゴレリングが…!」
『…ボンゴレリング…………?』
やっぱりこれはボンゴレ絡みなんだ
「じゃあなぁ」
「刹那!!!!」
『っ!!綱吉!!』
そのまま風を感じたと思ったら、その場からものすごいスピードで離れていく…!
綱吉ももう見えないらいに………何とかして抜け出さないと……!
私は風を操れるのだから自力で……!

「まっまてっううっ」
「!」
「おい、無茶すんな」
その頃何とか最悪の事態は免れた面々は、事態の把握をしていた
「深追いは禁物だぞ」
「はぁ?なに言ってんだよ!! 刹那が拐われたんだぞ!?」
「あいつなら、大丈夫だ」
「どこから、そんな保証が出来るんだよ!!つか、なんで今頃出てくんだよ!どーせなら、刹那だけでも助けろよ!」
「オレは奴に攻撃しちゃいけねーことになってるからな」
刹那を連れ去られたツナは冷静さを欠けさせていた、が
「何でだよ!!」
「奴もボンゴレファミリーだからだ」
「何だって…?てことは、俺はボンゴレの奴に殺されかけたのか?!どーゆうことだよ!」
「さーな」
「それに!刹那も連れ去られて…!!」
そんな時、辺りに警察が来たことを知らせる音が響いた
「ボス…サツだぜ」
「ああ、ツナその話は後だ。廃業になった病院を手配した…行くぞ」
「刹那は…!」
「刹那なら傷つけられることはない、安心しろ……きっと帰ってくる」
ディーノの言葉に少し冷静さを取り戻すツナ
納得はしていないが、スクアーロと知り合いなディーノの事だ
嘘はないだろうとツナ自身の超直感が訴えていた
「…………獄寺と山本は?」
「あいつらも心配ねーぞ」
「!」
獄寺と山本はフラフラしながらもツナ達の前へと表れた
「大丈夫かツナ!」
「いったい何なんすか?奴は?」
「二人とも!!」
「お前らの戦闘レベルじゃ、足手まといになるだけだ……刹那も拐われちまった。とっとと帰っていいぞ」
「!」
「リボーン!いくらなんでもそれは言い過ぎ…」
「行くぞ」
そういうとリボーンはツナを無理矢理引っ張り獄寺と山本を置いて歩き出した
「わっちょっ!!」
「本当はあいつらも感じてるはずだ」
「!?」
「あれだけ一方的にコテンパンにされて、はらわた煮えくり返ってねーわけがねぇ」




← / →

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -