「これでいいわ」 「どもっス」 少し複雑な怪我だったため、武くんの犬に噛まれた腕はビアンキさんに手当てしてもらった ツナは着地は失敗したと言っていたけど普通に大丈夫そう…… ただ、どこか考える素振りをしているから詳しく見えてはいないけど
「…(まただ。また、刹那を狙う…そんなに、世界のお姫様ってのが欲しいのかよ…刹那自身じゃなくて…!!そんなもののために、刹那は悩んで、苦しんでんのかよ!ふざけんな!!世界のボンゴレのお姫様なんて、なんのためにあんだよ…!!)」 「チビ、わりぃ…バット壊しちまった」 「ったく、しょーもねーなー」 「(…まあ、今は考えないことにするか…)」 「気にすんな…スペアやるから」 「おっ、サンキュー」 え、替えあるの!? しかもどこから出してきたのよ…!
「まっ、でもメガネヤローはまだ寝てるらしいし、アニマルヤローは倒したし。意外と簡単に骸をぶっとばせそうですよ」
「ププッ!めでてー連中だぜ!!」 「「『!』」」 「アニマルヤローだ!」 「さっき、完全に気を失ってたはず…」 普通に起きてしまった犬
「ひっかかったなー、おまえ達に口割らねーために、オポッサムチャンネル使ったんだよん!!」 縄でくくられた犬が言っていたオポッサムとは、死んだフリをするのが得意な動物
「でも、よーく考えたらおまえ達に何言っても問題ないじゃん!!ぜってー骸さんは倒せねーからな!!刹那以外は顔見る前に、おっ死ぬびょーん!!」 「んだと、砂まくぞコラ!!」 「甘いわ、ハヤト」 そういうや否や
「『…あ』」 ビアンキさんは穴に、石を容赦なく落とした しかもブリをつけながら…
「キャンッ!!」 そして、それは見事犬に命中 え?大丈夫?死んで…ないよね?
「ヒクヒクしてるけど、あれも死んだフリかしら」 「「(やっぱこわ!!)」」 あ、生きているのは生きてるのか…よかった ただ、ビアンキさん怖いな…
「だが、奴のいうとおり六道 骸をあなどらねーほうが、いいかもしれねえ。奴は幾度となく、マフィアや警察によって、絶体絶命の危機に陥ってるんだ…だが、その度に人を殺して、それをくぐりぬけてきたんだ。脱獄も死刑執行前日だったしな」 「何してたんだよ、こいつら…」 『…やっぱ怖いのは怖いね…』 私を狙う目的もそこに隠れているのだろうか? 皆と写真の六道 骸を見ながら、そう考えていた
「六道 骸様」 "六道 骸"と呼ばれた人は、写真とは全然違った 前髪はセンターでわけており、後ろ髪をあげているせいかパイナップルヘアーに見える
「おや、目を覚ましましたか?3位狩りは大変だったようですね、千種」 「ボンゴレのボスとお姫様と接触しました」 「…! そのようですね…彼ら、遊びにきてますよ。犬がやられました。」 「!」 柿本は慌てて、ベットから出ようとしたのだが
「そう、慌てないでください」 骸に止められた
「我々の援軍も到着しましたから」 「………」 「相変わらず無愛想なやつねー、久々に脱獄仲間に会ったっていうのに」 そこには女の子1人と、帽子を被った男、変な顔した双子、鳥が回りにいる気味の悪い変なおじさんがいた。
「何しにきたの?」 「仕事にきまってんじゃない。骸ちゃん一番払いいいんだもん」 「答える必要はない…」 「「………」」 「スリルを欲してですよ」 どうも無理のある制服に身を包んだおじさんはみんな無視しているようだ
「千種はゆっくり休んだ方がいい…ボンゴレの首は彼らにまかせましょう」 そんな時、部屋の片隅で何かが落ちる音が響き渡る
「…!」 物音がするほうを見てみると、フゥ太が本を拾っていた
「クフフ…待っててください、僕のお姫様、刹那」
ゾクッと寒気が背中を通った
『っっ!!(なに…? この、頭に響く声…)』 「刹那?」 『…! な…なに?』 「疲れたか?」 『え…、いや! 大丈夫』 「(ハァー…)……皆、ちょっと休まない?」 『?』 あれ?なんだか見透かされた気がする…
「そーだな、オレ腹へってきたぜ」 「ついでに、飯にしましょうよ、10代目」 「そうだな」 「あそこなんて、どースか?」 隼人くんが指さしたところは安全そうな場所だった
「うん。あ、ちょっとオレと刹那抜けるから」 『え、…ちょっ!!』 ツナは私の手を掴むと、少し皆と離れた場所にきた
「…刹那さ、大丈夫なんて嘘だろ?なんかあったのか…?」 『…本当に大丈夫なんだよ?だけどなんかね、頭に声が響くんだ』 「声?」 『うん、なんか、昔聞いたことあるような声なの』 「どんな事いわれてる?」 『僕のお姫様……あれ?その後、なんだっけ?』 「僕のお姫様…?(もしかして…!)」 『うん。なんなんだろうね?昔見た王子様に憧れてしまったのかな…?』 今だと皆にお姫様なんて言われるのはいやだけど…
「刹那それって…!!(骸…?でも…)」
「あなたたち、早くしなさい。」 『はーい!もう、いいじゃん?この話は…ほら、ツナ行こ!!』 「…ああ(刹那が昔から骸を知ってるわけがないよな…なら、骸は違う?じゃあ、誰が…)」 納得していないツナだったけど、今はつかの間の休憩をすることにする
「んじゃ、寿司と茶配るぜ」 「どきなさいよ、山本 武。はい、ツナ…緑黄色野虫のコールドスープ」 「虫かよ!!」 「冷たくて寿司なんかより、おいしいわよ」 「…(いらねーよ。つーか、山本と張り合ってんのかよ…)」 ははは、飲んだらツナと一生会えない気がしますよビアンキさん… すると、突然ビアンキさんの持っていたコールドスープが
「!?」 ボンッという音ともに沸騰した
「あつっ」 「っ!!なんだよ、このポイズンクッキング!!」 「私じゃないわ」 「ん?弁当が…!?」 え、お弁当からグツグツと沸騰してきている… お寿司まで…!!
「!!やべ!伏せろ!」 そして、弁当も爆発した
『なに、これ…!!』 「敵の攻撃を受けてるわ!」 『え…』 「どこから」 するとどこからか不思議な音が
「ん…この音…そこか!」 隼人くんがいち早く音に気が付き、ダイナマイトを建物に向かって投げつけた ダイナマイトは爆発し、建物の一部を破壊したが
「ダッサイ武器。こんな連中に、柿ピーや犬は何を手こずったのかしら」 攻撃してきた女は無傷だった
「黒曜の制服だな」 「ってことは」 「しかし敵は3人組だったはず」 「私だって骸ちゃんの命令じゃなきゃ、こんな格好しないわよ!しっかし、あんた達マフィアのくせに、みすぼらしいかっこしてんのねーーー。ただ、刹那ちゃんは違うわ〜かわいい!」 「は、」 「な」 『へ?』 この人も私のことを知っているの…?
「あーー、さえない男見てると、悲しくなってくる…男は金よ。やっぱつきあうなら骸ちゃんがいいわ」 「「「(骸……やはりこいつ…!)」」」 「まー、せーぜーうろたえなさい。刹那ちゃんは華よ…私たちにとってもね…だから、私はあんた達をあの世に送ってバッグと洋服買い漁り、そして…刹那ちゃんを貰うわ!!」 女はそういうと、クラリネットを吹き始めた というか華…?どういう意味なのだろう…
「やべ」 「うわ!」 吹き始めるといろんなものが沸騰していく
「あれが武器かよ…。てか、ぜってー刹那渡すかよ…くそが」 「「(ツナ/10代目が黒え…!!)」」 そこから爆発していくものたち
「な…なんなんだ、この攻撃は!」 「…これじゃ近寄れねー」 「くっ」 なに、これ…どこが爆発するかわからない…!!
『っ!!』 そんな中私の身体が温かいものに包まれた
『!!』 「大丈夫だ、安心しろ」 『…うん!』 耳元で聞こえた声はツナの声 昔は私が守るって言っていたのに、私を守ってくれるようになった綱吉に不覚にもときめいてしまった
「犬ってヤツに続き、またすげーのでてきたな」 「ちくしょーどーすりゃ…」 「私がいくわ」 『ビアンキさん!!』 「あんた、まちがってるもの…大事なのはお金ではなく、愛よ」 珍しくビアンキさんから静かなる闘志が見える気がする…
「はあ?なんなのこの女、ムカツク」 「その武器は、電子レンジと同じ仕組みね。物質に電波を照射して、水分を振動させ温度を上げる」 「わかったら、なんだってのよ!そーよ!物質の温度とは、物質をつくる分子の運動の激しさの度合いのこと。分子の運動が激しいほど、摩擦により物質は高温になるの。このクラリネットから照射される、特殊な音波は分子を一分割に5億回振動させ、物質を沸騰させるってわけ。人間がこの音波を浴びたら、沸騰してボンッ!よ!アハハハハ!!」 「っな!」 「マジかよ」 「何て女だ」 「御託はいいわ。いくわよ…ポイズンクッキング大型料理!!食べ放題!!!!」 ビアンキさんはどこからか、両手にいっぱいのポイズンクッキングを出してきた 食べ放題は嫌かな…!?
「あんな技あったか?」 「すっげー」 あ、やばい…隼人くんがはきそうになっている
「またダッサイ技ね。いいわ、来なさい…あんたの脳ミソチンして上げる!xバーニングビブラート!!!!」 女は対抗してクラリネットを吹いた ボンボンっと音を立てて爆発していく周囲だったが、ビアンキさんは走りながら攻撃をかわしている
「料理を盾にして、つっこむ気だなビアンキ」 「うまい…、だが届くのか!?」 「!(ひるまない…!!!!)」 「そこまでよ!ラストショートケーキ!!」 「キャァァァ!!なんて言うと思って?」 「っ!!」 すると、女のクラリネットが分解されて、ヌンチャクみたいになった あれはクラリネットじゃなかったの…!?
「接近戦も、得意なの!!」 「あぐっ」 「「『!』」」 『ビアンキさん!!』 ヌンチャク状態になったクラリネットに反応が遅れ、ビアンキさんは地面に倒れた
「……!」 「なにが愛よ!金に勝るものが、刹那ちゃん以外あるわけないじゃない!?さあ、とどめのひと吹きよ」 『やばい…!』 「おいっ」 武くんがたまらず前に行こうとすると…
「まて、山本…、もう…触れたんだ。」 「!?」 隼人くんが武くんの動きを止めた "触れた"ということは…
「脳ミソを沸騰させてあげるわ……ひぎゃァァァ!!」 ビアンキさんが触れたクラリネットがポイズンクッキングになっていた
『なるほど…!』 「まさか、あの技って」 「そうっス。姉貴が結婚式の時に修得した、触れた門をポイズンクッキングにする究極料理……」 け、結婚式…なるほど…?
「千紫毒万紅!!」 凄く身体に悪そうな名前である…けど
「そんなバキャなぁぁっふぎぃぃ」 「大丈夫?」 『え?』 ビアンキさんが敵の心配をした……?
「よかったわ。お昼寝の邪魔されなくて。」 と思ったら、リボーンのお昼寝の心配だったらしい…
「!!」 「リボーン…いないとおもったら…」 「じゃあ、アネキが戦ったのはリボーンさんの眠りを守るため…」 「愛の勝利ね」 その瞬間、きれいに女が倒れこんだのだった 哀れすぎる……
「さすがだな」 「…けっ」 ちょっと…同情しちゃうなあ……
「あの強欲娘のM・Mがやられたのは、実にいい気分だ」 「誰だ!」 と思った瞬間、すぐ近くから気味の悪い声が聞こえてきた
「まあまあ、落ちついて…これを見てください。お友達が狙われてますよ?」 『!!京子ちゃん!!ハルちゃん!!』
なんで2人が…!!
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