「待て!」


あの日にすべてが始まった

「待てよ2人とも!!」
『バジル君!ランチアさん!』
私達3人は前を行く2人を追いかけていた


「沢田殿!刹那殿!リボーンさん!」
「ボンゴレか」
何とか気づいてくれた二人が立ち止まり私達を待ってくれたんだけど…

「何も言わないでイタリアに帰るなんてひでーじゃねーか」
「すいません!急な招集がかかったんです。みなさんお忙しいと思いまして…」
「オレは湿っぽいのは苦手でな」
『そんな気を使わなくてもいいのに…。ランチアさん、ランボやイーピン、フウ太が心配してましたよ?よっぽどなつかれていたんですね』
「……そうらしいな」

ランチアがいないー!って騒ぎだしたランボを止めるの大変だったくらい皆ランチアさんが大好きなんだ
この短時間の間によくなつかれたなぁ…


「あれ…?ランチア蛇綱球は?」
「ん、あいつはいろんな検閲にひっかかるのでな、運び屋にまかせてある」
『そ…そうなんだ』
確かにあんなものあったら不味いよね


「ランチア、刹那とクロームに聞いたんだが、おまえが骸に呼ばれてきたってのは本当か?」
『!………』
「え!?」
そう、私達はあの時骸からランチアさんが来ることを聞いた
それは骸が呼んでくれたのではないかと思っていたんだけど
ランチアさんはリボーンの言葉に少しながら反応を示した


「いいや…骸とはあれ以来一切接触がない。ただ、大空戦の前日に妙な虫の知らせがあったのは確かだ…。奴に長時間憑依されていたために、他の人間よりもやつの考えを感じとりやすくなっていたとしたら、皮肉だな」
「ランチア……」
「気にするな骸を許す気はないが、これでおまえの役に立てたのならば本望だ」
「また…亡くなられたファミリーの家を回る旅ですか?」
「ああ、一生をかけて償うことしかオレには出来んのでな」
「そんな…」
「そうだこいつをおまえらにやろう」
骸は関係なかったんだ…と思ってた時、不意にランチアさんが胸ポケットから何かを探し始めた


「え?」
「オレのボスの形見だ……ボンゴレリング程立派なもんじゃねーけどな」
「なっ…」

綱吉はランチアさんの胸ポケットから出された指輪を渡された


「そんな大事なもの…!!」
「遠慮はいらん。これはオレの意思だ……。……姫にはこいつを」
『私にも…?』

綱吉とはまた別の指輪をランチアさんは私に渡してきた


「こいつは代々オレのファミリーに伝わる指輪だ。世界の姫が現れたとき、捧げるよう造られた指輪だ。ボンゴレリングよりは下だが、こいつはなかなかの代物だ。オレのファミリーはもういないが、祝いものだ。大切にしてやってくれ」
『……はい』

渡してくれるランチアさんからどのような思いでこれを渡してくるのか読み取れ、私はその指輪を両手で大切に握った


「これは拙者からです!沢田殿に合うかわかりませんが、もしもの時使ってください」
「え?」
バジル君は綱吉の手の上に何かを乗せた


「見送りはここまでで結構ですよ!」
「ああ」
『でも』
「あっ」
歩み出そうとした二人だったけど、不意にバジル君が声を上げた


「ランボさんもピクニックいく!!」

突然ランボが乱入してきた
止められなかったかぁ!


「な!?ランボッコラ待て!!」
綱吉はランボちゃんの角を握り、ランボを捕まえた


「では」
「気をつけろよ!」
『また、会いましょう!』
「バイブゥ〜!!」
そして二人はこの街から自分が歩む道へと旅立っていった


「ったく、ランボは」
「本当うぜーな」
『っ!』
なに、この感じ……
誰かいる!?
私はなにか人の気配を感じ、振り向いた

あれ?振り向いても誰もいない…


「どうかしたか?」
『…え?なんでもないよ!』

おもい………過ごしかな…?
でも、なんだか視線を感じる気がするのに…


「ところでバジルに何もらったんだ?」
「そういえば…、!なっ!死ぬ気丸!!」
「アメ玉っ」
「つーかこれもらっても、使い道ないんだろう…」
「そんなことねーぞ。これからおまえ、どんどん狙われるだろーしな」
「冗談じゃねーよ!!」

必要ないことが一番なんだけどね


「ちょうだい」
ランボは綱吉に手を差し出す


「ダメだ、ランボ!!食べると死ぬ気になるんだぞ!!死ぬ気は死ぬほどつらいんだぞ!!」
「それに死ぬほどうざくなるぞ」
『こら、リボーン』
「あらリボーン!今のコチンときた!」
「…それを言うならカチンだろ?」
「チ○コ?」
「ちがう!!」
ランボの教育大変そうだなぁ
10年後はちゃんとジェントルマンに育ってるから大丈夫なのかな…?


「やっぱうぜーな」
リボーンはレオンを変形させて…


「暴蛇烈霸!!!!」
「くびゃ」
みごとにランボに当てた


「が…ま…うあぁあぁ!!!」
『ランボ!』
「何やってんだよリボーン!」
「堪忍袋の緒が切れた」
「ランボ、まだ退院して日が浅いんだぞ…」
「リボーンのバカ者が〜!!タレマユのクセに!!」
『…ちょ!!』
それはNGワード!と思い止めようとしたところ
ランボは10年バズーカを出して…


「10年バズーカかよっ!ちょっ待てランボ!!」

するとリボーンちゃんは道路から岩を取りだし、ランボちゃんに投げた
「星になれ」
「ぐぴゃっ!!!」

それはランボちゃんに見事に当たった
その反動でドンッという音ともに10年バズーカが放たれたけど、ランボに当たらず
空に向かって放たれた


「な!飛んできたぞリボーン!」
「ん………?やべーな、動けねえ」
「『え?』」

それはリボーンに向かって落ちてきた
動けないってなに…?
そしてドンッと音がして…


「!!」
『な、リボーンに…当たった…!?』

そのままリボーンを煙で隠した


「えっうそだろ……ってことは、まさか……ここに来るのって」

私は綱吉と顔を見合せ


「『10年後のリボーン!?』」

私達は緊張しながら煙が消えるのを待った
しかし


「……………?」
『あれ……?』
「リボーン…?リボーン!?どこだよリボーン!!」
『き、消えたの?』
「いや…ちょっと待てよ、たしか10年バズーカは10年後の自分と現在の自分が5分間入れ替わるんだよな…………ってことは、誰もここに来ないってことは…………………まぁ、5分後に帰ってくるだろ」
『…………(いないってことは、未来は)』

リボーンは…

「刹那帰ろ」
『う、うん』



翌日


「なんでリボーン帰って来ないんだ!?どこで道草くってんだ」
『10年バズーカが故障したのかな………』

いつものようにフラりと帰ってきてくれたらいいんだけど……
なんだかんだ綱吉も心配らしく、探しに行こうと私達は外に出た


「何で獄寺さんもツナさん家行くんですか!?」
「通販で買った土産の生八つ橋をお渡しするんだ!!」
「通販はおみやげじゃないです!!」

瞬間、いまから行こうと思った道から何やら騒ぐ声が聞こえる


『…いつ見てもあの二人仲良いなぁ』
隼人くんとハルちゃんがいい掛け合いをしながらこちらに来ていた


「オレらの方が仲良いと思うけど?」
『………うん、まあ……』
……リング争奪戦が終わったあとから綱吉が容赦ない気がする


「あ!刹那ちゃんにツナさん!!」
「10代目に刹那!!」
「並盛駅に地下商店街つくる計画聞きました?今日イベントやるんです!みんなで行きませんか?」
「ちっ」

あ、そのイベント本来だったら綱吉がデートで行こうと言ってたとこだけど…
今はそれどころじゃなくなってしまった


『あ……えっと…、』
「リボーンが…ちょっとあって…」
「はひ?」
「リボーンさんがどーかしたんスか?」
「実はな……」

事情を説明していくと、段々二人の表情も変わってきた


「えーーー!!帰ってこない!?っていうか10年バズーカって何ですか?」
「『あ(ハル/ちゃん知らないんだった…!)』」
「10代目……リボーンさんは確かに10年バズーカに当たって消えたのに、そこには誰も現れなかったんスね」
「ああ」
「…………!ま…待ってください10代目…10年後から来なかったってことはいなかった……つまり、10年後にリボーンさんは存在しないってことなんじゃ…………」
「……やっぱりそう思うよな」

綱吉もそう思ってたんだ…みんな考えることは同じ……


「……まさか…とにかくリボーンさんを探しましょう!」
「ああ…」
「はひ…」
『うん……』
「オレは学校にいきます!」
「ハルは山本さん家に!」
「じゃあ、オレ達は公園に…!!」
『私は商店街に行ってみる…!!』
「え?」
『こんなときまで一緒に行動したら、本来ならいろんなところ探すせるのに手間がかかるよ!!今はリボーンを探すのが先だよ、綱吉』
「……………分かった」

渋々といった感じだけど、綱吉も納得してくれたようだし


何事も起きなければいいけど




私達はそれぞれ散り散りに走り出した




← / →

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -