ぐすっ、


 先生には怒られてばっかで、友達も困らせてばっかり。家に帰ったらお母さんもお父さんも仕事でいないし、携帯持ってないし、相談する人もいない。
 こんな人生嫌だな、この屋上から飛び降りたらドラマみたいに楽になれるのかな。そんなことを考えてしまった弱い自分がいて、いけないと思って首をふったら、たまたま目が自分の手を見てたので手をいじってみた。そしたら逆剥けが出来た。痛い。手をいじってたらさらにネガティブなことを考えてしまって、また泣けてきた。また泣けてきたなんて考えてたら涙の量が増えた気がした。考えれば考えるほど辛さが増していくのがわかった。
 誰かに甘えたい。けど甘える人が現在いまここにいなかった。教室に帰ったら友達がいるけど、こんな泣き顔で会いたくない。また困らせたくない。


「誰だ」


 お前が誰だと思った。でも振り向いたら知ってる人で、なんだか恥ずかしくなって反応せずにまた手をいじった。そしたら本日2ヶ所目の逆剥けを作ってマジ痛い。亜久津がめずらしいものを見るような目で私を見ているのが分かった気がして、私が無反応でいるのが申し訳なくなってなにか話題、というかこの泣き腫らした両目の言い訳を考えていると、亜久津がごそごそしだした。
 さっきまでごそごそしてた亜久津が両手いっぱいのアメを私に差し出してくれた。似合わない。けど受け取ってみた。なんでアメ?って聞きたかったけど、なぜか口が開かない。ただただ、亜久津を見ることしか出来なくなっていた。


「泣いてんじゃねぇ、クソが」


 泣いてる人にそれはないんじゃないかと思った。けどなぜか笑えてきて、止まらなくなった。途中から涙もでてきた。多分これは笑いすぎて泣いてるんだと思う。


『ぐすっ、あはは、なんで亜久津、アメ持ってんの』
「…誕生日だからって太一がよこしやがった」
『え、今日誕生日なの?お、おめでとう、はは』
「なに笑ってんだ泣かすぞ!」




HappyBirthday!




(2011/05/22)
ごめん亜久津!これも2ヶ月近く遅刻なうえに意味わかんなくなったorz



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -