※アリス様へ・壇くん2年




「卒業生が退場します、拍手でお送りください」


 春。桜は間に合わなかった。桜が咲いたら、桜の木の下でみんなで集合写真撮ろうって約束してたのに、まだ寒そうな木の前で撮らないといけないらしい。


「名前先輩!」
『あ、壇くん』


 最後のHRで担任の先生は泣いた。ほとんどの人は高等部に上がってメンバーはそのままだけどみんなも泣いた。私もじわじわと目頭が熱くなったりはしたけど涙が流れることはなかった。それもいいかなと思った。ほら、写真撮ったときあとで恥ずかしいことになってたら大変だし。泣き顔を見られたくない私にはそんなこと地獄だ。


「卒業、おめでとうございます!」
『ありがとう』


 壇くんは2年生になって、大人っぽくなったと思う。テニス部でも頑張ってるみたいで、身長も伸びて、頭に巻いているヘアバンドは相変わらずずれ落ちることもあるけど、以前よりは大分マシになってるとおもう。


「高等部で待っててください」
『うん、待ってるね』


 きっと、3年生になって卒業して、高校に来る頃には背も伸びて、声変わりもして、私なんかよりずっとたくましくなってるんだろうと思う。


「写真、一緒に撮ってくれますか?」
『うん、』


 ここではじめて涙が流れた。




桜色の涙


(2011/03/25)
相互記念!アリス様のみお持ち帰り可能!


壇くんを大人っぽくしようと、ですを取ったら壇くんじゃなくなったw
そしてまた意味の分からない文になってすみません/(^O^)\



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -