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 ひとつひとつの光の小さな粒が何百個にも何千個にも、何万個にもなって、降り注いでくるかのように眩く光るイルミネーションが私たちを照らす。暗闇の中、それはまるで宇宙にいるような錯覚まで起こすものだからしょうがない。もうすぐ今日が、1年が終わる。今思うと1年なんてあっと言う間で、これがこの先何回も続くのかなんて考えたらわくわくした。それでなんとなく、本当になんとなくだけど、つながった手をぎゅっと握ってみたら、ぎゅっと握り返してくれて、またなんとなく、ほっとした。


「来年の抱負は?」


 まるで地球を暖かく包み込む春の陽だまりのような笑顔で私に問いかけた萩之介の顔は青い宇宙に照らされて光っていた。私がその問いに困ったものだから、彼も眉を下げて苦笑いする。別に抱負がないわけではないの。いっぱい、いっぱいありすぎて、どれにしようか迷ってるんだよ。「俺は、ありきたりだけど、」今度は萩之介が私の手をぎゅっと握ってきたので私もそれに答える。ぎゅ。あったかい。


「名前と来年も仲良くいたいかな」

「私も、それにする」

「じゃあ一緒なら絶対に守れるね」


 言葉に表さずうなずいたのだけど、この真っ黒な中、萩之介にその私の動きは見えてないかもしれない。ううん、見えてなくてもきっと分かってる。なぜか今は胸を張って言い切れるような気がする。これも、きっと、


「あ、もうすぐだよ」

「ほんとだ!」


 来年まであと約30秒。こんな年越し初めてでドキドキする。萩之介と2人で、新しい年を迎えるんだ。カウントダウンが0に近づいていく。目と目を時々合わせて周りのカウントダウンを聞きながら待ち続ける。『3、2、1…!』





2012/0107 あけましておめでとうございます!辰年ですね!



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