Moderate
中学2年の時初めてお付き合いしていた彼はバスケ部の先輩。そこそこ格好よくて人気がある彼に対して、人見知りで自分が思っている言葉も安易に発することのできない私と付き合ってくれるのが申し訳なくて別れを告げた。それ以来私には、そういう"恋"だとか"恋愛"だとかの類いのものに縁がなく、別にそれをしたいと思うことも特になく、彼と別れた時から大げさに言うと今日まで息を吸っては吐くをただ繰り返してきた。嗚呼神様は不平等だ、なんて考えてしまって私らしくないなとため息を1つ。
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先月からバイトをしている。最寄り駅すぐ近くの小さな花屋で、自分で働いてお金をもらうのは人生初体験。時給は満足するほどのものじゃなかったけど、まずは慣れからだと思って、家から近いここに決めた。店の前を通るだけで香る甘い花の匂いに誘われて何度か立ち寄ったこともあるからなんだか親近感が湧いたり。それと、少し…だいぶ不安なことがある。人見知りの私に接客なんてできるのか。まあ店長も他のみなさんもいい人そうだから大丈夫…か、な…?
それと、最近近くの高校の制服を身にまとったきれいな男の子が店に来る。私の学校よりも偏差値が高いところの。
「こんにちは」 『こっ、こんにちは』
柔らかく微笑んで、緩くカーブがかった綺麗な髪を少し揺らしてあいさつをしてくれる彼に心臓が持って行かれちゃうんじゃないだろうかと思うくらいドキドキする。友達でもない男の子に(まあ男の子の友達なんて1人もいないんだけど)声をかけられることが私の経験上ないということも一つの原因だろうけど、彼のきれいな顔が大半を占めているんだと思う。この人のために、美人という言葉があるんだと思う。
まるで花のような 2011/11/06
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siorimokuzi
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