※言葉が汚い。
 ジャン双子弟(影武者)主















 銃声と耳障りな笑い声。
路地の角に身を潜め様子を伺う。




「カッツオッ!アンラッキーなんてもんじゃねぇぞ?!」




 思わず、小声で悪態を吐く。
今日の任務は既に終わっていたのに、まさか、あいつに出会うなんて本当についていない。
GDのイカレ野郎、バクシー・クリステンセンに出会うなんて。



「ひゃっはぁ!かぁいいCR:5の偽者子猫ちゅぁ〜ん?どこに隠れたんでちゅかぁ〜?ヒャーッハァハァッー!」



 カツカツと靴の鳴る音がする。
マズイ。非常にマズイ。
愛用のグリセンティを握り直す。



「まぁ、これが兄貴じゃなかっただけラッキーかっ」



 先手を取るように靴音の鳴る方向に、一発。
そして、間合いを縮める。




「ハッ?!今のはなんだぁ?痒くもねぇ〜ヨ?」

「ぐっ?!」

「ひゃっはぁ〜!大当たりぃ〜?」

「当たってねぇよ、糞野郎!」



 詰めた間合いから、ナイフを突き出すが、ひらりとかわされる。
続け様に攻撃を繰り返すが、すべて空振る。
俺がダメダメって事より、こいつがおかしいんだが


「今日はだぁい好きなお兄チャンはどうしたんだぁ〜?」

「お兄ちゃんっ?誰のこと言ってんのかねェっ!」

「ほらほらぁ〜もっと狙わねぇと当たんねぇよぉ〜!?」

「くっ!」

「おいおい〜っこのままじゃツマンネぇんだよ!あぁ〜そうか、お前もっと気持ちのイイ事してぇのけ?」

「んなんいらねぇヨッ!」

「ひゃっ!なんだよぉ?どーせもうゆるゆるのけつまんこだろぅ?幹部様ごよーたしってなぁっ」

「いっ?!」




 しまった。足を引っ掛けられるなんて…不覚すぎる。
ジリッと顔が地面とキスした。
この野郎、頭踏みやがった。



「あぁーつまんねぇ。つまんねぇなぁ〜?」

「ぎっ、痛ぇっ!」

「こりゃもう、一発ユルユルけつまんこに突っ込むしかねぇなぁ」

「ぐっ、んなこと余所でやりやがれっ」

「んだよ?連れねェなぁ?ラッキードッグの弟はガバガバ〜なんて言われたくねぇか」

「はっ!何言ってやがる、ラッキードッグは俺だけだっ!いっ!」



 いきなり、髪を引っ張られて覗き込まれる。
ギラギラとした目が気持ち悪い。



「嘘、はぁ、いけないぜぇ」

「う、そじゃねぇ!」

「匂いがちげぇんだよ、顔だけは似てるけどなぁ」

「ぐっ」



 ベロリと舌が頬を這う。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。
このままじゃ本格的にやべぇと思う。
反射的に地に付いた足を蹴り上げ、バクシーの腹を蹴り飛ばした。




「いってぇな!フェイクよぅ」

「言ってろ変態がっ」

「…飽きた」

「はぁ?!」

「今日はもうヤメだぁ、じゃぁな」





 呆然とする俺を無視して、奴は帰っていった。















2010.05.30. 16:47




後書き





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