※死ネタ。ジュリオ部下。
あなたへの手紙
「まさか、こんな走り書きを使う時がくるなんてな」
痛む腹とイカレた足を引き摺って、裏路地に身を隠した。
GDとの抗争、戦争にも近いか。 組織の鉄砲玉な俺はいち早く敵と交戦するのが役目。 しかし、今日は相手の数が違った。 上司から預かった仲間を死なせるわけにはいかない。 その思いだけでなんとか仲間を逃がし、敵を巻いたが、身体はガタが来たようだ。
「あいつら、逃げられたかな…きっと、隊長なら…」
鼻が利く上司だ、事切れた俺を見つけてくれるだろう。
「…いつまで経っても…ダメな、兵隊ですみません…でした」
走り書きのメモを握りしめた。
「…ユリオス」
「おい、ユリオス」
「ヴァッファンクーロッ!GDの奴らめ!」
「shit!」
「何か握ってるな…」
―これを読んでると言うことは、俺を見つけてくれたって事ですね。 仲間はちゃんと皆さんのところに帰れましたか? ダメな部下ですみません きっと…きっとデイバンを幸せにしてください。 俺はちょっと先にいきます。
「んなもん、持ってるから死ぬんだよ」
「ん?追伸があるな…ジュリオお前にだ」
「…」
―追伸、隊長へ
俺、隊長のこと好きでした。 ジャンをよろしくお願いします。 …出来たら、末永く幸せになってください。
2010.05.22 13:19
⇒後書き
|