pkmn クロガネ山の引きこもりん
女主だよ!
「まだなの?」
「……」
「もういい加減こんなとこにいるのやめたら?」
「……」
夏だというのにこの山は容赦なく霰が降る。 そんな中にポツンと立って誰かを待つレッド。 そしてレッドの前にいる私。
酷く滑稽な図。
帽子で目線を隠すレッドにイライラしながら、マフラーを巻き直した。
「もーレッド」
「……」
「私、結構レッドの声聞いてないんだけど」
山籠りをして幾数年。 寡黙だった彼が言葉を発さないようになったのも同時期で。 引きこもりの息子がいたらなんて考えるくらいの時間が経った。
「ねーレッド」
「……」
「…あのさぁ」
「……」
俯いていたレッドが私を見た。
「私がレッドに負けたら帰ってきてくれる?」
君の声が聞きたいのです。
掲載時期 〜2011/06/13
⇒後書き
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