※ディセンダー確定前
「私にもお父さんとお母さんが居たのかな?」
ぽつりと呟く。 名前以外は何も覚えてなくて、孤児なのかすらもわからない。 カノンノの話を聞いて急に不安に襲われた。
「リリム?」
「どうしたのリリム?」
同じ部屋に居たリッドとファラが心配そうに近づいてきた。
「記憶が無いって不便」
「はぁ?唐突だなまた」
「何かあったの?」
「カノンノの話を聞いたの」
二人に掻い摘んでさっき聞いた話をした。
「お父さんもお母さんも死んじゃってカノンノ寂しいの」
「……」
「わたしも居たかもしれない。でもそれも忘れちゃったのかな…」
「リリム」
俯いたわたしをファラが抱き締めてくれる。 温かくて優しい気持ちになる。
「オレはさ」
「リッド…?」
「別に覚えてなくてもいいと思うけどな」
「リッドっ?!何を」
「今ここにいて生きてる。それだけで両親は喜んでると思うぜ?それにリリムと出会ったカノンノもそうだしオレもファラもみんなな」
「そう、かな?」
「そう、そうだよね!きっとそうだよリリム」
「ファラ?」
「私リリムと出会えて嬉しいもん!」
ファラの抱き締める力が強くなる。…痛いのはこの際我慢。
「あのね」
「なぁに?」
「ん?」
「ロックスに聞いたの。お父さんとお母さんって温かくて優しいって」
「うんうん」
「わたしのお父さんとお母さんはリッドとファラ」
「「え?」」
「二人とも優しくて温かなの」
にっこりと笑いながらファラの後ろにいるリッドの手を引く。
「だからぎゅーってして?」
Hello. My father and mother.
(ねぇだめ?) (だ、だめじゃねぇけど) (あーリッド変なこと考えているでしょう?) (か、考えてねぇよ!?) (クイクイ)ねぇ?パパ?) (パ、パパはやめろっ)
(何やってるんだ?) (ワイール!いかだんらーんね!)
2011 2 21 05:09
⇒後書き
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