※現パロ。大学生設定。

















「あーもーやだっ」




 紙くずでゴミ置場と化した部屋の中心で、奴は喚いていた。
俺はと言えば、被害の少ないベッドに寝転んでいる。




「うわ?また間違えたっ」

「Be quiet.お前が煩くてろくに読書も出来ないぜ?」

「何よ!勝手に遊びに来てその態度はなんなのよ!」

「Ha!怒ってる暇なんてあるのか?」

「ホントあんたむかつくっ!」




 そう言って、冥架はぐしゃぐしゃにした紙くずを投げ付けた。



「っ、危ねぇだろ」

「……」

「だんまり、か」




 投げられた紙くずを広げれば、履歴書と書かれている。
冥架にしては、綺麗な字で綴られたものだ。
しかし、ほんの一文字間違っていた。




「あーあ、もういや」

「Ha?だったら止めればいいだろ?」

「それは出来ないの。せっかく親がここまでしてくれたんだから、就職はしなきゃ」

「ふ〜ん」

「でも、会社はあたしの魅力に気付いてないのよ」

「Ha?」

「何社送ったと思う?覚えきれないくらいよ。本当にみんな見る目ないわ」


「確かにな」

「え?」




 俺の言葉に、机に向かっていた冥架が振り向いた。
 ベッドから身を乗り出し冥架の手をとり、ベッドへとのせる。



「ちょっと、政宗?」

「なぁ?」

「何よ?」

「一番早く内定決まって、終身雇用な会社があったらどうする?」

「業種があたしにでも出来る事と確実な内定なら、応募するわよ」

「じゃ、俺に履歴書書けよ?」

「はぁ?何いってんの?」

「Ha〜だから落ちんだよ」

「からかわないで!本当に切羽詰まってるんだから」



 ベッドから降りようとする冥架を抱き締める。



「政宗っ」

「Please get married to me.」

「え?」

「俺ならお前の魅力を最大限に引き出してやれるぜ。だから俺のところに、就職しろよ?」





君の魅力


(で、どうなんだ?)
(なっ…あの)
(ん?)
(家事苦手よ?)
(別に必要じゃないだろ?)
(え?)
(小十郎もいるしな)




これって
もしかしなくても
玉の輿?




























2010.02.26. 16:13




後書き





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