※注意 真田主従とはありますが、殆ど出てこない。 ぬるい性描写とグロ表現あり。 しかも、主がモブにやられてるだけ。
こんなんでよければどうぞ。
暗い牢の中に閉じ込められて幾日。 手足は吊るされる様に縛り付けられ殆ど使い物にならないし、身体も傷だらけ。 始めは数えていたが、途中で面倒になった。
まさか、任務を失敗るとは…。
「…はぁ」
確かに、途中までは上手くいった。 首尾よく抜け出そうとした矢先だ。 眠り香を嗅がされ、気がついたらこの場所だった。
きっと上司なら、隙を見せた俺が悪いと詰るだろう。 俺だって始めは、粗方の折檻にあって死ぬんだろうと思っていた。 勿論、そんなので得た情報を吐くつもりは全く無かった。
「狸が…」
死ぬつもりだったのに、未だに生き長らえている。 それもこれも、ここの城主の執着否、性癖故だ。 奴は、折檻で嬲り殺すより、飼い殺しにするのを好んだ。
「猫や、大人しゅうしておったか?」
カツカツと石の階段が鳴る。 松明が暗かった地下牢を照らし出す、俺はその眩しさに目を瞑る。 気配からして数人の男が牢の前に立った。
「やはり、お主は美しい。忍にしておくには勿体無いことよ」
「……」
「無口なところも良いのう」
ニヤニヤと下卑た笑いを浮べて、牢の中に入ってくる男達。 天井から吊られていた腕が無造作に切られて、無様に床に落ちる。 途端に男達の笑い声があがり、頭を踏みつけられた。
「ほほほっ、どのような気分じゃ?悔しいか?苦しいか?それとも気持ちがよいのか?」
「・・・っ」
「我慢することは無いぞ」
「……」
「本に無口な猫よ…、やれ」
城主の一言によって周りの男達が、一斉に俺に触れてくる。 ある者は、俺の口に一物を突き入れ、ある者は俺の下半身を弄りながら自慰にふける。
「ふっ…んぐ…」
「ほほっ、良い声になってきおった、お前らもっとじゃもっと」
こうなれば、誰がどうなんて言ってる余裕も無く、意識を殺すしかない。
「ぐっ、がぁ…っあ」
「いい表情だのう」
ぬちゃりと顔に精が降りかかる。 あぁ、これで終わりかと思い、完全に意識を飛ばそうとした矢先。
「何楽しいことしてるの?」
男の声が牢の中に響いた。 声のほうに顔を向ければ、壁に寄りかかりこちらを見ている橙が見えた。
「…っは?」
「派手にやられたね〜」
「そ、そちは何者え?」
「え?名乗るものでは無いですけど」
「佐助ぇぇっ!侑哉はっ?!」
「あぁ、旦那来ちゃったの?」
なんだこの展開は…。 目の前に普段の仕事着の佐助様と戦装束の幸村様が居るではないか。 なんで、上司二人組みがここにいるんだ? 死ぬ前の走馬灯とでも?
「っ?!貴様ら許さぬっ」
「え?まっ」
間合いを即座に詰めた幸村様が槍を振るう。 狭い牢の中では逃げ場など無く、俺を嬲っていた男達がいとも簡単に床に倒れ事切れた。
「貴様が、この城の城主か?」
「ひぃぃっ」
「某は、武田が家臣、真田源次郎幸村。お主の首級頂く」
「ゆ、ゆるし、」
幸村様が首を取っている間に、俺は佐助様に助け起こされていた。
「いっ…」
「…汚いなぁ」
「…すみません」
「帰る前に川に放り込まないとダメだね」
「すみません」
「旦那?そっち終わった?そろそろ出ないと」
「うむ、佐助持て」
「うわっ、投げて寄越さないでよっ」
「お前が袋を持っているだろう、して侑哉」
「は、はいっ」
「無事でよかったでござる」
幸村様の瞳は戦場特有の輝きを宿しているのに対し、俺に投げかける言葉が優しくて吃驚していると、城主の首を袋に詰め込んだ佐助様に担がれた。
「なにやってんの?!時間無いから」
「うむ、お館様もお待ちでござる」
「え?ちょ」
「そのままでもいいでしょ、どうせ気絶させて連れて行くつもりだったし」
「え?」
そこで、俺の記憶はぷっつりと切れた。
つづく。
2010.08.31 0:04
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